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品川-田町間「50年ぶり新駅」が秘める可能性

東洋経済オンライン 9月18日(日)8時45分配信

 2024年の完成を目指してJR東日本が京浜急行電鉄、都市再生機構とともに進めている、山手線の品川─田町間の再開発計画が徐々にベールを脱ぎ始めた。

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 敷地面積は13.9ヘクタールと、六本木ヒルズ(同9.3ヘクタール)や東京ミッドタウン(同6.8ヘクタール)を凌駕。オフィスビル、ホテル、マンションなどから構成される、いわば巨大な“街”が出現する。

 プロジェクトの中身は今後つまびらかになっていく。その先陣を切る形で、品川─田町間に設置される新駅の概要が9月6日に発表された。1971年の西日暮里駅以来、約50年ぶりとなる新駅の建設についてはすでに2014年に発表済みだが、再開発エリアの“玄関口”がいったいどのようなものになるのか、エリア全体のイメージを把握するうえでも注目を集めた。

■新駅の暫定開業は2020年を予定

 新駅のデザインを手掛けるのは建築家の隈研吾氏。2020年、東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場のデザイナーとして、今や時の人でもある。

 木材や白い膜を使った大屋根は、折り紙や日本家屋の障子をイメージしたという。壁面はガラスで覆われ、コンコース内には巨大な吹き抜けが設けられる。日本ではあまり例を見ない、開放感あふれる駅になりそうだ。

 新駅の開業は東京オリンピック開催直前の2020年春を予定。ただ、この時点ではエリア内で完成している建物は少なく、あくまで暫定開業という位置づけだ。駅前広場ではパブリックビューイングなどのイベント開催も検討されている。本格的な駅開業はすべての物件が完成する24年となる。総工費は公表していない。

西武も新たに参加か

 JR新駅の建設予定地のすぐ近くには、山手線と国道15号の間に挟まれるように、京急の本社ビルが建つ。計画案では同ビルも再開発の対象に含まれている。

 その京急は2019年秋には本社を横浜に移転すると発表している。同社は現在の本社の土地をJR東日本と一体的に再開発することを想定していると考えてよいだろう。

 何より、京急にとっても、JR東日本の品川開発プロジェクトは重要な意味を持つ。JR東日本の狙いどおり、世界中から企業や人材の集まるエリアが品川駅のすぐ隣に誕生すれば、京急の鉄道路線・品川─羽田空港間の利用者が増加するからだ。

■リニア需要を取り込めるか

 さらに京急は、品川駅前に複合施設「シナガワグース」など複数のビルを所有しており、その敷地面積は2.5ヘクタールに及ぶ。2027年のリニア中央新幹線・品川開業に合わせ、これらの物件をオフィス、ホテル、住宅、商業施設などの複合施設に建て替える。容積率が緩和されれば、収益力は大きく改善する。

 西武ホールディングスも品川駅前に「品川」「新高輪」などのプリンスホテルを所有している。「東京オリンピックまではホテルとして運営する」(後藤高志社長)という方針だが、その後は再開発する可能性もあるだろう。

 もっとも、東京オリンピックの開催に合わせ、都心部ではほかにもオフィスビルやホテルの大量供給が見込まれている。テナントの獲得競争や五輪後の需要減など、対応すべき課題も多い。

大坂 直樹

最終更新:9月18日(日)9時25分

東洋経済オンライン

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