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ソニー「プレステVR」には別格の強みがある

東洋経済オンライン 9月18日(日)5時0分配信

 仮想現実をゲーム機で身近に体験できる日がやってきた。9月15~18日に開催された国内最大のゲームの展示会「東京ゲームショウ」で最大の注目を集めたのは「プレイステーションVR(PSVR)」だった。

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 PSVRの特徴は臨場感を越えた"没入感"だ。実際にその場にいるかのようなバーチャルリアリティ(VR)の世界を味わえる。VRゲームのプレイに必要なのはプレイステーション4とゴーグルなどがついたPSVR。PSVRの価格は4万4980円だ。

 発売元であるソニーインタラクティブエンタテイメントのアンドリュー・ハウスCEOも「これまでにない体験を提供できる」と自信を見せている。

■ソフトも期待作が充実

 PSVRの発売は10月13日。今年6月から予約を受け付け、予約販売分はすでに完売した(9月24日に台数限定で予約受付再開予定)。VR機器はゲーム用パソコンなどと一緒に使う想定で、オキュラスリフトやHTC Viveなどからすでに発売されているが、すでに世界で普及しているプレイステーションで遊べるという強みがあるPSVRの投入により、今年は「VR元年」の年になるといえそうだ。

 PSVRのウリは、ハードの性能もさることながら、その特長を生かしたソフトのラインナップが充実していることにある。たとえば、期待作の「サマーレッスン」は1週間女子高生の家庭教師となり、その子の部屋で勉強を教えるといった内容。“2人だけの空間”を疑似体験するにはPSVRはもってこいのデバイスとなっている。

親機のPS4も販売好調

 将来的にはゲーム・エンタメ以外の事業社とも連携し、ユーザーのすそ野を広げていきたい考えだ。気になる販売台数目標は公表していないが、現状は需要に対して供給体制が追いついてないようだ「販売台数はソニーの生産能力次第。新ジャンルの機器のため量産に手こずっており、年内に100万台程度ともいわれている」(ゲーム業界に詳しいTokyo VR Startupsの新清士取締役)。

 PSVRの稼働に必要となる“親機”の「プレイステーション4(PS4)」は、2013年秋に北米で最初に発売されて以来、破竹の勢いで販売台数を伸ばしてきた。

 スマホゲームが市場を席巻している日本にいると、その勢いは感じにくいが、据え置き型ゲームが主流の北米を中心に売り上げを伸ばし、PSシリーズ最速ペースで販売台数4千万台を突破した。9月15日には現行モデルを小型化かつ値下げした新型PS4と4Kに対応した上位機種「PS4 pro」を発売、PSVRの発売と合せていっそうの普及を見込む。

 同世代の競合機種である「Xbox one」や「Wii U」の不振が目立つ中、独り勝ち状態のPS4が次に見据えるのがオンラインサービスの拡大だ。

■オンラインがゲーム事業の好調を牽引

 現在、ソニーのゲーム事業の2015年度売上高1兆5519億円のうち、ソフトのダウンロードやオンライン会員サービスといったネットワーク売り上げが約3割の5293億円を占めるまでに成長した。以前はPS本体やディスク型ソフトが牽引していたが、今ではオンライン対戦に加入が必要な「PSプラス」、クラウド上で定額遊び放題の「PSナウ」といった会員制サービスの利用者が拡大している。

 2016年度は熊本地震の影響もあり、ソニーは予想営業利益3000億円と前年比横ばい水準を見込む。そのうちゲーム事業は4割超を占める屋台骨だ。ゲーム会社にとって書き入れ時となるクリスマス、年末年始商戦にどれだけ販売を伸ばすことができるか、全体業績の浮沈を左右しそうだ。

田嶌 ななみ

最終更新:9月18日(日)5時0分

東洋経済オンライン

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