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11月安値1万5000円を覚悟する4つの要因

東洋経済オンライン 9月18日(日)5時0分配信

前回のコラムでは、目先こそ強調展開となって日経平均は1万7500~1万8000円に上昇しようが、9月20日頃から下落基調に転じる。そして11月頃には1万6000円前後に押して、その後2017年に2万円を奪回しよう、と述べた。しかし残念ながら、短期的な戻りが不発に終わったまま、下落基調に入ったようだ。下落相場の発射台が低くなったため、11月の日経平均の安値は、1万5000円前後を想定せざるをえないだろう。 9月から11月にかけて、日本株が下落すると予想する理由は、前回のコラムの繰り返しになる部分が多いが、次の4つの要因による。

 1)米国株の予想PERはすでに割高で調整が不可避だ。前回のコラムでは、株価が横ばいで長く推移するなか、企業収益が徐々に増加することで、予想PERが低下するという時間調整型と、株価が短期的に下落するという価格調整型の両方のケースを挙げたが、どうも価格調整型に向かっているようだ。この場合、株価は15%程度下落(NYダウの下値メドは1万6000ドル辺り)し、下落後は比較的早期に戻ると考える。ただ、米株価下落の間は、国内株価も調整を余儀なくされよう。

 2)国内企業7~9月期の収益悪化を株価が織り込みに行く展開がありうる。当該期の決算発表は10月下旬から11月上旬にかけてなので、その間は前年比2割強と見込まれる減益を織り込むことで、株価が押し下げられるだろう。また企業は、前倒しで自社の収益見通しを下方修正するものと見込まれ、織り込みが決算発表の時期より、早期に始まることもあるだろう。ただし10~12月期以降は収益の持ち直しが予想されるため、11月で収益悪化を織り込み切ることで、その後は株価が回復しうる。

 3)9月20~21日の日銀金融政策決定会合で、金融政策が手詰まりになっていることが確認され、市場の波乱要因となる。

伝えておきたいアドバイス

 4)米ドル安・円高が進むと懸念される。11月8日の米大統領選挙に向けて、候補者から内向きの発言が嵩み、米輸出企業を米ドル安で支持すべきだ、との主張が強まる恐れがある。加えて、10月に公表される米財務省半期為替報告書で前回4月と同様、中国、ドイツ、韓国、台湾とともに、日本が「監視リスト」入りする可能性が高い。こうした10~11月の円高の時期を過ぎれば、その後は米国経済・株価の堅調さに沿った、米ドルの持ち直し基調が予想される。

 ここで、投資家の皆さんにお送りしたいアドバイスがある。もし筆者の見通し通りに11月に向けて株価が下落したとする。「この株価下落は大変なことだ、この後、さらなる大暴落が待っている」「世界経済が地獄に落ちる兆しだ」などと、大声で極端な悲観論を叫ぶ専門家が、多々現れるだろう。そうした主張に惑わされ、最安値で手持ちの株を叩き売るようなことだけは避けていただきたい。

■財布の中身と財布のひもに分けて考える

 株価の下落局面では、投資を休むもよし、日経インバース型ETFなどを買い持ちするもよし。だが、個別材料で動きそうな銘柄への投資も、選択肢の一つだろう。実は、足元の個別株の動きを見ていると、最近の国内消費の特徴が、さまざまに反映されているように思われる。

 まず、消費全般には、デフレ色が強まっているようだ。消費の先行きを分析するうえでは、財布の中身と財布のひもに分けて考えるとよい。財布の中身が多ければ消費に回りやすいし、財布のひもが締まれば、中身があっても消費は絞られる。

 財布の中身は直接には個人所得ということになるが、所得に大きく影響するのは雇用だ。雇用情勢全般には、失業率が低下傾向をたどっていることや、雇用者の内訳をみると、パートより正社員雇用の回復が中心になってきていることなどから、堅調と言ってよいだろう。しかし消費者心理については、内閣府のアンケート調査により、心理を数値化した消費者態度指数は、このところボックス的な動きに終始しており、心理改善が進んでいないことが示されている。

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最終更新:9月18日(日)5時0分

東洋経済オンライン

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