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結婚相手をコンピューターが決定する未来――その“正解”は 人工知能の専門学者座談会(2)

デイリー新潮 9/18(日) 20:01配信

 科学ジャーナリストの緑慎也氏を進行役にお送りする、人工知能の専門家たちによる座談会。今年3月にトップ棋士に勝利したことで「アルファ碁」が話題になったが、今後は様々な能力を備えた“汎用人工知能”が登場するという。さらに2045年までには、人工知能が人間より賢くなる「技術的特異点(シンギュラリティ)」を迎えるとの予測も。こうした状況に日本はどう対応しているのか、またどのような社会が到来するのだろうか。

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【松田卓也/神戸大学名誉教授(宇宙物理学)】 ところで、汎用人工知能にもいろんなレベルがあって、電気通信大学の栗原聡教授は3種類挙げています。一つは意識を持った人工知能で、まさにドラえもん。次が意識はないが何でもできる人工知能。最後がスーパー人工知能で、これは自身が科学研究をする。僕はこれが世界を変えると思う。ドラえもんは研究しませんからね。ソニーコンピュータサイエンス研究所の北野宏明所長は、人工知能にノーベル賞を取らせると言っています。人間は疲れるし気まぐれですが、人工知能は疲れません。

【松尾豊/東京大学大学院工学研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授】 それにはビッグデータ的にやる方法と、人工知能が自らモデルを作る方法があると思う。前者はやればできるでしょうし、北野さんもそのレベルのことを言っているのかと。人工知能が自ら物理現象を観察してモデルを作る、というのはすごく重要ですが、今の段階ではまだ想像できません。ただ、シンギュラリティはそのことを抜きには語れないと思います。

【高橋恒一/理化学研究所 生命システム研究センター 生化学シミュレーション研究チーム チームリーダー】 人工知能が自分で自分を改良するプロセスが回りだす、というのがシンギュラリティの本来の定義です。松尾さんはそれを話されている。

【松田】 しかし、機械が自律的に改良し始める前に、人間と一緒になって知能増強できます。今もかなり知能増強されていて、1970年代には、たとえば(関数解析学における)逆ラプラス変換をするという問題を前にして、あらゆる図書館を回っていたわけ。今は入力すれば一発です。知能とは短時間にどれだけ知的労働ができるか。その意味で、われわれの知能指数は昔より圧倒的に高まっています。人工知能に感情を持たせるのは難しいけれど、それは2029年もしくは45年までは人間が担えばいい。

【高橋】 心を持つロボットは経済的価値が高いので、実用化は企業に任せればいい。サイエンスに利用するものは、もう少し本質的に、国の命運をかけてやらないと。乗り遅れると、日本は後進国になってしまいます。

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最終更新:9/18(日) 20:01

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