ここから本文です

42歳になって最速タイムを大幅更新。不可能を可能にするイチローの俊足。

Number Web 9月18日(日)18時1分配信

 日頃からハードなトレーニングを続ける野球選手であっても、年齢的な衰えは忍び寄るのが通例だ。境となる年齢はそれぞれ。35歳で下り坂に入る選手もいれば、もっと早いプレーヤーもいる。

 だが、イチローは42歳になった今でも衰えをあまり感じさせない。それどころか、走力に関してはスピードアップしている驚きの事実がある。

 7月17日のカージナルス戦のことだった。この日イチローは4打数3安打を記録したが、3本のヒットよりも“凄い凡退”があった。3回の第2打席。二塁ベース付近へのゴロに対し遊撃手は、ほぼ完璧なプレーで一塁へ送球したが、イチローが予想を上回るスピードで一塁を駆け抜けると塁審の手は真横に広がった。ビデオ判定の結果アウトに覆ったものの、明らかにイチローのスピードが審判の目を幻惑させた。試合後、イチローもこの走塁に手応えを感じ取っていた

一塁到達タイムは「5年前と比べても速い」。

 「今日、(一塁まで)何秒ですか? とはイチロー。報道陣が3.7秒であったことを伝えると、彼はこう答えた。

 「3.7だったら速いよね。去年より速いことは感覚的にわかっているんですけど、そんなに違うとはね」

 一塁到達まで4秒を切れば俊足と評価される中で、イチローの昨季の平均到達タイムは両リーグ通じて5位タイの3.98秒であった。このデータはメジャーリーグ公式サイトが出したもので、以下の通りになっている。

 1 B・バーンズ(アスレチックス) 25歳両打ち 3.85秒
2 D・ゴードン(マーリンズ) 27歳左打ち 3.91秒
3 B・ハミルトン(レッズ) 24歳両打ち 3.95秒
4 D・デシールズ(レンジャーズ) 22歳右打ち 3.96秒
5 イチロー(マーリンズ) 41歳左打ち 3.98秒
5 J・アルテューベ(アストロズ) 25歳右打ち 3.98秒

 20代半ばの選手の中に入り、41歳でメジャー5傑に入っただけでも驚きの事実と言えるが、その昨季平均を上回ること0.28秒。42歳になり、何故イチローはスピードアップに成功できるのか。常識では考えられないことだ。

 「なんで? って言われるとよくわからないんだけどね。去年というか、5年前と比べても速いと思いますよ。少なくともヤンキースにいた頃('12年から'14年)よりは絶対に速いのでね」

 自信満々にイチローは答えた。

1/2ページ

最終更新:9月18日(日)18時1分

Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

911号
9月23日発売

特別定価600円(税込)

<広島優勝 特別編集>カープの魂。

【スペシャル対談】黒田博樹×新井貴浩
【ナンバーノンフイクション】鈴木誠也が“神る”まで。

5度目の核実験 北朝鮮を止めるには

5度目の核実験に踏み切った北朝鮮。阻止するすべはないのか、北朝鮮情勢に詳しい専門家やベテラン研究者に聞いた。