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リオの車いすマラソン、ホンダの3D計測技術が支える

NIKKEI STYLE 9月19日(月)7時0分配信

 日本時間19日に行われるリオデジャネイロ・パラリンピックの車いすマラソン。出場する日本代表選手の走りをホンダが支えている。競技用車いすを開発するだけではない。車いすの性能を引き出せるよう、3次元(3D)技術を応用してフォーム改善の取り組みをサポートしてきた。1秒でも早くゴールへ――。日本発の「追い風」は届くか。
 7月末、熊本保健科学大学(熊本市)の室内に、車いすマラソン日本代表の山本浩之選手と土田和歌子選手の姿があった。「バイオメカニック測定会」に臨むためだ。
 選手の動きをカメラで読み取る「モーションキャプチャー」の技術で、車いす走行時の筋肉の動きや腕力の大きさ、力が働く向きや車いすの駆動力を調べる。大会前にフォームの確認などを最終調整するのが目的だ。

■3Dアニメで筋肉の動き視覚化

 2人はまず肩や肘などの関節や頭部など約20カ所に球状の反射マーカーを貼る。ホンダグループが開発した車いす「極(きわみ)」に乗り、計測機の上に載る。前傾してホイールを回す姿を、周囲に置かれた10台以上のカメラで撮影する。
 10~15分の撮影で得たデータは、ナックイメージテクノロジー(東京・港)の動作解析ソフトウエアで分析。筋肉の働きを3Dアニメーションで視覚化する。
 測定会はホンダ子会社で車いす開発を担うホンダR&D太陽(大分県日出町)と、熊本機能病院、熊本保健科学大学の共同プロジェクト。計測機は本田技術研究所とR&D太陽が開発した。
 車いすで効率的に走るためにどう体を使えばよいか。プロジェクトは2015年春に始まった。
 車いすマラソンは、体と車がどれだけ一体化しスピードアップにつながるかが見どころ。世界トップクラスの男性選手の場合、42.195キロメートルを最短1時間20分台で駆け抜ける。平均時速は平地で時速30キロメートル、下り坂では時速50キロメートルに達する。
 土田選手と山本選手が出場する車いすマラソンは男女とも大会最終日の18日午後0時30分(現地時間)スタート。海岸を5周するコースで、急なカーブの折り返しが勝負のポイントの一つだ。
 ただ、スピードを左右するのは車いすの性能よりも、選手の体力や技能の方が大きいという。他の選手との駆け引きもさることながら、車いすにどれだけ効率的にパワーを伝え加速力を生み出すかが勝負の分かれ目となる。
 この肝心の部分が、まだ選手の感覚に委ねられている。「車いすにどんな力が働いているのか分からない点も多い」と話すのは、元日本記録保持者で3度のパラリンピック出場経験を持つ山本行文氏。「科学的な分析でメダル獲得につながるのでは」。自らも携わる測定の効果に期待する。

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最終更新:9月19日(月)7時0分

NIKKEI STYLE

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