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森山監督が「心中してもいい」と信頼を寄せるU-16日本のキャプテン福岡慎平のリーダーシップ

SOCCER DIGEST Web 9/19(月) 7:00配信

初戦では抜け目ないプレーで2ゴールを奪取。

 2000年以降に生まれた「ニューミレニアム世代」の10番がいきなり結果を出した。16日にU-16アジア選手権の初戦を迎えたU-16日本代表は、ベトナムに7-0と大勝。森山佳郎監督から「相手に何もさせるな!」という指示を受けて立ち上がりからプレッシングの強度を高く維持し続けたイレブンの中心に、キャプテンマークを巻いたMF福岡慎平がいた。
 
 元より自分の長所として「球際で激しく行けること」を挙げるボランチである。「前から(プレスに)行って驚かしてやろう」と、足元のテクニックに秀でた相手に対してインテンシティの勝負に持ち込んで、大きく上回った。
 
 1-0で迎えた24分には、ボランチの相棒・平川怜(FC東京U-18)のボール奪取から始まった速攻に素早く反応。左MF中村敬斗(三菱養和SC)の浮き球のスルーパスから抜け出し、左足ワンタッチでグラウンダーのシュートをクールに流し込んでみせた。
 
 日本から出発直前に行われた鹿島ユースとの練習試合では、似たようにライン裏へと抜け出してGKと1対1になった場面で枠を外し、「あれは本番では絶対に決めないといけない」と言っていただけに、有言実行のゴールでもあった。元より、ボランチの位置からダイナミックに飛び出していくプレーは福岡の真骨頂。京都U-15時代はより攻撃的なMFとしてプレーしていたが、代表でポジションが下がっても攻撃的な意識は失っていない。
 
 さらに後半に入った51分にもチームの4点目となるゴールを頭で決める。CKのリバウンドボールだったが、「あそこに絶対(こぼれて)来ると思っていた」という事前の予測と、「ボールが空中にある間に(GKの位置を)確認しておいた」という冷静な判断からGKの守備範囲外に丁寧にヘディング。おいしいゴールにも見えたかもしれないが、並の選手なら焦って外す場面だろう。なんとも抜け目ない2得点だった。
 
「あいつとなら心中してもいいくらいの人間性がある」          
 
 森山監督はキャプテンマークを預けた福岡について、そう話すほどの信頼を置く。本人もその自覚は十分で、「和気あいあいとみんなで楽しくやるところと、練習で厳しくやるところ。オンとオフの部分はしっかり分けるようにしたいし、声を掛け合ってやっていきたい」と線引きまで考えながら、16歳らしからぬ立ち居振る舞いでチームを引っ張っている。
 
 第1戦の大勝後に「少しチームがゆるんでいる様子があった」と感じた指揮官は、その懸念を全体に伝えたと言う。それもまた、きちんと言っておけば、その言葉と空気を理解して行動に移せる福岡のような選手がいるという信頼の裏返しだ。
 
 ベトナムとの初戦は53分という早い時間帯に交代となっているが、これも次戦以降を見据えての温存策だろう。それだけ替えの利かない選手だという認識がある。その上で、キャプテンとして背負わざるを得ないプレッシャーを成長の糧と代え、チームを引っ張り続けられるかどうか。近未来において、福岡が年齢制限のないA代表でも、そして京都のトップチームにおいても同じく柱石となるために、アジアの関門を通過点としてもらいたい。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)
 

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最終更新:9/19(月) 7:00

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