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福島第一原発事故当時、内閣官房副長官だった福山哲郎が語る、本音と事故から得た教訓

ローリングストーン日本版 9/19(月) 14:00配信

ローリングストーン日本版2016年10月号掲載
SAVE HUMANITY:福山哲郎[民進党/参議院議員]



事故を目の当たりにした以上、原発のない社会を作るために尽力し続けていく。

福島第一原発事故当時、内閣官房副長官だった福山哲郎。事故対応に当たった彼は積極的に事故当時の官邸内の様子を発信してきた一人だが、果たして福島第一原発事故は徹底検証されたと考えているのだろうか?その本音、そして事故から得た教訓を改めて聞いた。

―福島原発事故当時の官邸の様子が描かれた映画『太陽の蓋』を拝見しました。

実は、あの映画は私の著書『原発危機 官邸からの証言』がきっかけで作られたそうなんですが、いかがでした?

―"官邸(民主党)を美化して描いている"という批判も耳にはしますが、何が真実なのかは現場にいたわけではないのでわかりません。ただ、いろいろな本や調査結果の資料を読んでもいまひとつわかり難かった事故対応を巡る全体像が立体的に見え、役に立ちました。話を進める前に伺いたいのですが、"菅(直人)さんが総理じゃなく、自民党政権だったら良かったのに・・・"という意見を耳にしますが、もし自民党政権だったら、事故対応はどうなっていたと思いますか?

当事者だった私が"自民党だったら"という仮説で話すのはあまり適切ではないとは思います。歴史にifはありません。ただ、民主党は東電の事故に対する損害賠償額の上限をつけなかったのですが、自民党政権であったなら、原子力損害賠償法上の無限責任の賠償をしたかどうかはわかりません。実際、政権内にいた自民党出身の方は上限を設けるべきだと主張されていました。それともうひとつ・・・。

―もうひとつは?

枝野(幸男)官房長官と菅総理(肩書きは当時)と私で、避難は1秒でも1分でも早く、そしてできるだけ遠くにしてもらう。それから情報もできるだけ早く、オープンにしようと話し合って決めていました。しかし、避難の規模を大きくするということは、東電の補償も大きくなる。そこは自民党政権だったらどうだったのか。既に公になっている通り、自民党と東電の関係は歴史的にとても深く繋がってきた。なので、避難のスピードや規模に影響があったかもしれません。

―なるほど・・・。映画の話に戻ります。当時、官邸内にいた当事者である福山さんは映画を観てどんな感想を持ちましたか?

映画の舞台挨拶に呼ばれた時にも申し上げたのですが、この映画を観ると事故当時の記憶が急速に蘇ります。例えば、菅総理や枝野官房長官の会見を僕は袖で聞いていたばかりではなく、準備の打ち合わせにもすべて参加していました。あの時にどういう気持ちで会見の横に立ち、そこでの発言に対して"ああ、こういう質問が出たか..."と考えたことなどを思い出し、本当にタイムマシンに乗ったような気分で映画を観ていましたね。それにしても、官邸の中の様子、官邸の記者会見場、建物の造りなど、いろんな人にヒアリングや調査をされたのでしょうけど、非常によく調べて作られているなと思いました。

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最終更新:9/19(月) 14:00

ローリングストーン日本版

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