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裏切りは当たり前、フランス大統領選の仁義なき戦い

JBpress 9月19日(月)6時0分配信

 フランスは来春の大統領選を控えて、選挙がらみの報道が多くなっている。バカンス明けの最大のニュースは、「エマニュエル・マクロン経済・産業・デジタル大臣の辞任」だった。大統領選に出馬するための辞任とみられる。

 マクロンは弱冠38歳、イケメン、議員歴なし、夫人は高校時代に教わったフランス語教師で25歳年上と、話題には事欠かない。夏には週刊誌「パリ・マッチ」の表紙を、若々しい水着姿の夫人とのツーショットで飾り、大きな注目を集めた。

■ オランドの支援で今の地位を築いたマクロン

 さらに話題を盛り上げているのが、「マクロンはブルータスだ」というアラン・ジュペ元首相の指摘だ。つまり、マクロンは主人に若い時から目をかけられ、後継者に目されながら、暗殺に加わった「裏切り者」だというのだ。

 マクロンは、エリート育成の高級官僚養成所・国立行政院(ENA)を出て財務監察官を務めた後、ロッシルド(英語読みは「ロスチャイルド」)銀行に入行し、大企業の合併などで活躍。同行のナンバー2にまで上り詰めた。

 2012年5月、フランソワ・オランドが大統領に就任すると、マクロンはエリゼ宮(仏大統領府)の事務局次長に任命された。

 そのときマクロンは一般的にはまったく無名の人物だった。社会党内からは、「なぜ、金持ちの代名詞のようなロッシルドの人間を左派政権に迎えるのか!?」と批判の声が上がった。

 2014年夏の内閣改造で、マクロンは初めて入閣した。このときは政府内からも「政治家として経験ゼロの人間に主要大臣が務まるのか」と非難の声が渦巻いた。

 しかし、2015年には通称「マクロン法」(注)を制定させるなど、大統領とマニュエル・ヴァルス首相のサポートを得ながら、政治家としての実績を積み上げていった。

 (注)デパートや有名ブティック店などの「日曜開店」の日数を年5回から12回に増やすなど、それまでタブー視されてきた労働法の一部を改定した。

 国民からの人気も高く、今や世論調査では「左派で大統領にしたい人」のトップの座を首相と争うほどである。

 辞任したマクロンは、まだ大統領選への出馬宣言はしていない。オランド大統領の出馬の有無などを確認してからとの見方が支配的だ。

 マクロンにとって、オランド大統領は政界への道を切り開いてくれた恩人だ。批判や非難もことごとく退けてくれた。その恩人に対する「裏切り者」との印象を少しでも和らげて出馬するために、大統領の出馬の意向や時期を見計らっていると思われる。

■ 左派も右派も裏切りだらけ

 フランスの大統領選では、「裏切り」は珍しくない。

 1995年の大統領選で右派政党「共和国連合」からジャック・シラク党首が出馬したとき、エデュアール・バラデュール首相(当時)が30年来の友人であるシラクを裏切って立候補した(選挙ではシラク氏が勝利した)。

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最終更新:9月19日(月)8時10分

JBpress

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