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あなたはあと何回、親に会えますか。その間に何をしますか。

ダイヤモンド・オンライン 9月19日(月)6時0分配信

 あなたが親と会えるのは、あと何回か。平均寿命と親の年齢、そして1年で会う回数から、答えは自ずと導き出される。「年」ではなく「回」という単位のなかで、親に何をしてあげられるかと考えなければならない。(「週刊ダイヤモンド」2011年3月5日号特集「今、親のためにしたいこと」より。データなどは掲載当時のまま)

 あなたの親はいくつですか。1年に何回会っていますか。

 同居していたり、スープの冷めない距離に住んでいるならまだしも、都会暮らしの働き盛り世代で親が地方在住の場合、1年に親に会えるのはせいぜい数回ではないだろうか。

 日本人の平均寿命(2009年)は男性79.59歳、女性86.44歳である。まだ自分の親は長生きすると楽観しているかもしれない。たとえば、あと10年は大丈夫……と。

 しかし、仮に年に5日は里帰りしているとしよう。すると、あなたが親に会えるのはあと10年ではない。50回だ。「年」ではなく「回」という単位のなかで、親に何をしてあげられるかと考えなければならない。

 「親のこと」を心配する子世代に向けてさまざまな情報を発信しているオヤノコトネットの調査(10年6月)によると、子世代の83.2%が親の介護や老後といった“老い”について関心を持っているにもかかわらず、そのことについて親と「あまり話さない」(43.6%)、「話したことがない」(16.4%)。また実際に、親の健康や安全については「現在明確な不安がある」(16.8%)、「漠然とした不安を感じる」(62.6%)のに、83.4%の人が「なにもしていない」。

 皆、親の“老い”について関心も不安もあるが、特になにもしていない。だが、その親とはあと何回会えるかわからないという事実を突きつけられると、悠長に構えてはいられなくなるはずだ。

 親のために何ができるか。それは、育ててくれた親に感謝の気持ちを表すという意味合いもあるが、それだけではない。

 打算的といわれるかもしれないが、「親のため」とは結局、「自分のため」でもある。

 子にとってみれば、親が認知症や寝たきりにならず元気でいてくれることは、今の自分たちの生活を守るための重要なファクターとなる。体の健康だけでない。親を喜ばせ、いつも笑顔でいさせること。すなわち心の健康を保つことも大切だ。親の心身の健康を願い、その維持のための努力は、子としてきわめて自然なのである。

 また、全人口に占める65歳以上人口が23.1%となり、日本は世界一の超高齢化を迎えている。年金・医療・福祉など国の財政面に与える影響に加え、今後はあらゆる産業が高齢者を相手にした事業変革を求められる。

 まだどこの国も経験していない超高齢化社会で、ビジネスマンとして持つべき視点を教えてくれるのはほかならぬ老親たちだ。高齢化問題やシニア市場の開拓といった政治や経済界の課題は、「自分の親のこと」に置き換えて考えることで理解も進むし、解決の糸口が見えてくることもあろう。

 老いた親のことを常に心にとめ、何ができるかを考えることは、自分のためであると同時に、「社会のため」にもなるのである。

 
 あなたはあと何回、親に会えますか。その間に何をしますか。

週刊ダイヤモンド編集部

最終更新:9月19日(月)6時0分

ダイヤモンド・オンライン

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