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東京五輪[おもてなし銘柄]は今から仕込むべき

HARBOR BUSINESS Online 9月19日(月)9時10分配信

リオ五輪の熱気も冷めやらぬなか、日本では次の東京五輪に向けて本格始動。“おもてなし”の心で準備を急ピッチで進めているが、ならば特需を取り込み、業績を伸ばす企業を見定めるには今が好機だ。過去の五輪データを参照に注目銘柄を選定した!

⇒【資料】ロンドン五輪で雇用増した業種

 日本のメダルラッシュに沸いたリオ五輪。安倍首相がマリオに扮した東京五輪への引き継ぎ式は世界でも話題を集めた。いずれにしても、今から「TOKYO2020」に向けた4年が始まる。

 株式市場では、’13年9月に東京への誘致決定後、これまで「五輪関連」としてさまざまな銘柄が買い上げられてきた。ところが、今ではその“理想買い”相場は終わり、日々の相場で五輪関連という言葉を耳にすることは稀だ。

 しかし、五輪開催の準備が本格化するのはまさにこれから。五輪特需によって企業の懐が潤うのも、これからが本番なのである。理想買い相場が終わり、株価が平常化している今こそ、まさに仕込み時なのである。

◆過去を参考にするなら、ロンドン五輪がベスト

 もっとも、五輪関連と名のつく銘柄なら何でもOKというわけにはいかない。やはり業種や銘柄の絞り込みが重要になってくるのだが、「過去の五輪を参考にすると注目すべき業種、銘柄が見えてくる」と話すのが、SBI証券のアナリスト・藤本誠之氏だ。

「株式相場では、過去の経験則というものが非常に重要になってきます。東京では過去に一度五輪が開催されましたが、さすがにそれと現在を比べるのは、環境が違いすぎて無理がある。かといって、リオも経済状況が違う。そこで、比較対象として有効なのは、’12年のロンドン五輪でしょう」

 ロンドン五輪が開催された当時、英国は’10年の欧州金融危機の影響から抜け出せておらず、デフレ懸念もくすぶり、経済は不安定な状況が続いていた。一方、現在の日本もデフレ懸念が再び持ち上がるなど不安定な経済状況にある。また、両国とも島国で、G7(先進7か国主要会議)に参加する先進国という点も共通している。

「英国政府がロンドン五輪の経済波及効果を検証した『事後評価レポート』では、五輪でどの産業の雇用が増えたかが書かれています。ロンドン五輪で雇用が大きく増加した業種は、日本でも同じように雇用の増加が期待できる。雇用の増加はその業種の景気が良くないとあり得ませんから、業績が好調であれば、株価も必然的に上昇するというわけです」(藤本氏)

 同レポートによると、五輪によって雇用が誘発され、経済波及効果の恩恵が大きかった業種は上位から「卸売・小売業」「広告業(専門・科学・技術サービス業)」「警備・観光関連業(事務管理サポート)」「建設」となっている。

◆プロ3人の銘柄で五輪長者を目指せ!

 今回は、藤本氏を含む3人の専門家が同業種を分析。中でも東京五輪までの今後4年間で、株価が大きく上昇しそうな銘柄を選別してもらった。

 トップバッターは、前出の藤本氏。彼が注目したのは、まさに東京五輪で期待される「雇用の増加」そのものだという。

「ストレートに小売りや広告関連も全然アリですが、好調な業界に人を送りこむ人材派遣会社は五輪で大きく業績を伸ばしていくと予想されます」

 独自の視点でズバズバと相場や銘柄を切りまくるカブ知恵代表の藤井英敏氏は、「今から五輪関連を狙うなら時価総額の小さい銘柄にすべき」と指摘する。

「五輪関連といえば、ゼネコンや不動産、ほかにスポーツ関連や広告、警備会社などに目が行きがちです。でも、これらの銘柄は比較的時価総額が大きいため、株価の大幅な値上がりが期待できるとは言い難い。今から狙うなら、値幅が期待できる小型株にすべきでしょうね」

 株式評論家の山本伸氏も、これから東京五輪関連銘柄を狙うのであれば、注意すべき点があると指摘する。

「五輪関連は理想買いの段階で大きく買われた後、人気が拡散して株価の上値にしこりがある銘柄がかなりあります。今後はそうした銘柄は避け、実際に稼いでいるか、これからものすごく稼ぎそうな企業に注目すべきです」

 これらの項目に注意しつつ、銘柄選別に定評のあるプロ3人が、過去の五輪データから導き出された業種から選出された注目の“おもてなし”銘柄が下表のものだ。

 4年後、日本人選手団とともに“金”を獲得できるかどうか。これらの銘柄を今から仕込んでおけば、“五輪長者”も夢じゃない!?

◆ロンドン五輪比較で見えてきた東京“おもてなし”銘柄15選

●山本伸氏の推薦銘柄

東テク【JQ・9960】

株価:1035円/PBR:0.77倍/PER:5.79倍

空調卸の最大手で工事も手掛け、第2位株主であるダイキン経由の工事も担当。現在、東京五輪に向けて新築、中古を問わずビルの工事ラッシュが続いており、業績は絶好調

那須電機鉄工【東2・5922】

株価:340円/PBR:0.28倍/PER:15.87倍

高圧電線の鉄塔製造が主力。原発の停止などで電力会社の投資抑制が相次ぎ苦戦。ただ、電線地中化の共同溝の製造・工事事業に注力しており、電線地中化が加速すれば業績拡大

山田コンサルティンググループ【JQ・4792】

株価:4280円/PBR:2.35倍/PER:13.54倍

創業はFP関連事業だが、現在はコンサル事業が主力。中小零細企業を中心に事業継承のためのコンサルやM&Aが好調。東京五輪に向け、事業継承コンサルのニーズは拡大していく公算大

オハラ【東1・5218】

株価:657円/PBR:0.41倍/PER:318.93倍

光学ガラスメーカー。セイコーとキヤノンが大株主。五輪に向けてデジカメ向けが伸びそうなほか、自動運転に不可欠なCMOSセンサー向けなどで急拡大する可能性もある

アサヒホールディングス【東1・5857】

株価:1785円/PBR:1.21倍/PER:8.82倍

家電やスマホなどから金やプラチナなどを回収する貴金属リサイクル会社。東京五輪のメダルのリサイクル方針など、貴金属リサイクルは日本のエコ技術の一つとして注目されそうだ

●藤井英敏氏の推薦銘柄

ビジョン【東マ・9416】

株価:1540円/PBR:1.85倍/PER:21.18倍

「グローバルWiFi」と「情報通信サービス」が主力。増え続ける訪日外国人向けのサービス『NINJA WiFi』を強化しており、羽田空港カウンターを全面リニューアル

駅探【東マ・3646】

株価:634円/PBR:1.61倍/PER:14.68倍

ナビゲーションサービスを提供。訪日外国人が最適な観光施設ルートを検索できる「旅程検索システム」を開発。今後も多言語、インバウンド向け商品を強化する方針だ

フュートレック【東2・2468】

株価:773円/PBR:2.25倍/PER:143.95倍

音声認識ソフト・アプリを開発。近畿日本ツーリストと協業し、観光事業者向けの音声翻訳サービスを展開予定。今後は近ツーのネットワークを活用したインバウンドビジネスの拡大を図る

翻訳センター【JQ・2483】

株価:3080円/PBR:1.65倍/PER:12.35倍

医薬など専門分野に特化した翻訳サービスで日本最大級。『世界の語学サービス会社ランキング2016』で5年連続でアジア1位にランクイン。グループ会社で通訳や人材派遣も扱う

日本興業【JQ・5279】

株価:184円/PBR:0.44倍/PER:14.02倍

コンクリート二次製品の大手。同社の遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」は、アスファルト上に舗装するものではなく、ブロック。東京五輪へ向けた新規道路への導入に期待

●藤本誠之氏の推薦銘柄

アライドアーキテクツ【東マ・6081】

株価:2750円/PBR:10.55倍/PER:51.46倍

SNSプロモーション支援プラットフォーム「モニプラ」やユーザーのデータを活用したビッグデータの管理システムなどを活用したマーケティングや広告事業を展開。海外事業にも積極的

エボラブルアジア【東マ・6191】

株価:1460円/PBR:10.04倍/PER:65.65倍

航空券予約サイト「空旅ドットコム」を運営。民泊事業やキャンピングカーのレンタル事業もスタート。東京五輪に向けて訪日外国人の増加は必至で、新規事業に注目が集まる可能性大

インターワークス【東1・6032】

株価:1079円/PBR:4.98倍/PER:16.29倍

競合の少ない特定業種に絞った人材派遣サービスを展開。工場労働者、アパレル販売員の求人情報ではトップシェア。「ほめられ隊」などユニークな経営も注目され、急成長している

トラスト・テック【東1・2154】

株価:1451円/PBR:5.28倍/PER:15.02倍

メーカーの製品開発や製造系技術者などエンジニアに特化した人材派遣・請負会社。「エンジニアに支持される企業」を標榜し、自動車や半導体など製造業向けが急拡大している

カナモト【東1・9678】

株価:2251円/PBR:1.08倍/PER:9.30倍

建機レンタルの大手。東北や関東にも進出し、復興や五輪関連特需で業績好調。米国のゴールドラッシュ時にリーバイスが一番儲けたように、建設関連でもど真ん中より周辺銘柄に注目

【藤本誠之氏】

マーケットアナリスト。日興証券などで機関投資家向けのトレーディングに従事し、現在はSBI証券に籍を置く。All About「株式ガイド」で執筆。9月21日に『ポケモンGOが世界経済を救う!』が発売予定

【藤井英敏氏】

カブ知恵代表。’89年に早稲田大学を卒業後、日興証券、投資顧問などを経て、’05年に投資情報会社カブ知恵を設立。鋭い論調で相場や個別銘柄をぶった切る。趣味はゴルフとキャバクラ通い

【山本 伸氏】

マネーリサーチ代表。’85年より経済ジャーナリスト、株式評論家として執筆や講演活動など幅広く活躍。国策を背景とした大化け銘柄の発掘には定評があり、個人投資家のファンも多数いる。手先が器用

※株価などのデータは9月5日時点のもの

取材・文/新井奈央 図版/ogi 写真/時事通信社

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9月19日(月)12時24分

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