ここから本文です

介護施設を「幼稚園」のようにしてはいけない

東洋経済オンライン 9月19日(月)5時0分配信

 取材をしていると世の中の動きがよくわかります。一時期は派遣事業の取材がたくさんありました。ITベンチャー全盛の時代にはIT企業の取材が増えました。

この記事の写真を見る

 最近目立つのは、介護関係の取材です。高齢化が進み、町に高齢者があふれている時代です。訪問介護、デイケアサービスを始められる企業が増えています。

 そうなると、同業者間の競争原理が働きます。基本的なサービスは国の基準で決められているので、その枠内でどう差別化を図るか、皆さん、知恵を絞っておられます。理事長が自ら農業を始め、利用者にお米や野菜を提供している所があります。知的障害の方が利用者のサービスに当たっている所もありました。ダンベルなどトレーニングマシーンを置いて、高齢者の筋肉トレーニングを推奨しているケースもあります。筋肉を付けるのが痴呆の予防になる、という考えです。

 今回ご紹介する「(有)わたしの家すやま」(大阪府枚方市須山)は、数ある介護施設の中でもそのユニークさで際立っています。

■地元のボランティア・スタッフが60名

 まず、そのボランティアの数に驚きます。職員80名に対し、ボランティアが60名います。平均年齢70歳。中には80歳を超えた方も活躍されています。この介護施設の経営者・谷口律子社長にどうやってこれだけ多くのボランティアを集められたのか、お聞きしました。

 「いつもお友達や町内の方をウォッチしながら、声掛けするタイミングを考えています。そして、もうそろそろお仕事を一区切りつけられたかなと思ったら『1カ月に数時間でいいのでボランティアをお願いできませんか』と声掛けをします。もちろんたくさんかかわってくれたらうれしいのですが、取りあえず、無理のないところでお願いします。躊躇されていた方も『それだったらできるかも』と快く引き受けてくださいます。皆さん、第2の人生は社会のため、自分の生きがいのために何かをしたいと思われています」

1/4ページ

最終更新:9月19日(月)6時50分

東洋経済オンライン

東洋経済オンラインの前後の記事