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菅官房長官と麻生財務相の“代理戦争” 故・鳩山邦夫の福岡6区めぐり

デイリー新潮 9/19(月) 5:50配信

「またの名、死に神」。かつて朝日新聞によってこう命名された鳩山邦夫元法相。6月21日に67歳で亡くなり、天に召されて「神」となった鳩山氏だが、黄泉(よみ)の国から大物政治家に致命的打撃を与えようとしている。

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 麻生太郎財務相(75)、古賀誠元自民党幹事長、そして昨今「話題」の山本幸三地方創生相……。「個性豊か」な政治家が揃う福岡県を舞台に、目下、壮絶な抗争が繰り広げられている。

 鳩山氏の死去に伴う衆院福岡6区の補欠選挙の投開票は10月23日に行われる。表向き、ともに「自民党系」として出馬を宣言している邦夫氏の次男で同県大川市長の鳩山二郎氏(37)と、同党福岡県連会長の長男である蔵内謙氏(35)の対決という構図になっているが、

「蔵内さんには麻生・古賀連合が、鳩山さんには麻生さんの8歳下の菅さん(義偉・官房長官)が付き、彼ら後見人たちの争いと化しています」(政治部記者)

 この代理戦争の背景を、福岡県政関係者が解説する。

「邦夫さんは生前、派閥横断の『きさらぎ会』を作り、『安倍―菅コンビ』の応援団を公言。その縁から、菅さんは邦夫さんに恩義があり、今回もきさらぎ会のメンバーに二郎さんを応援するように指示しました」

 対する麻生氏サイドは、

「当時の麻生総理と鳩山総務相は郵政民営化のあり方を巡って揉め、結局、鳩山さんが辞任するに至った経緯があり、麻生さんとすれば、鳩山さんは自分の政権を潰した『戦犯』だという恨みを持っている。そのため、邦夫さんの死を『好機』として鳩山家潰しに動いているわけです」(同)

■トリプルスコア以上

 こうして蔵内氏の選対本部長に就任した麻生氏。蔵内氏は「福岡県連公認」の候補となっているものの、父親の弔い選挙でもある二郎氏サイドは納得せず、現在、両陣営は「党本部公認」を争って、一歩も引かない状況に陥っている。

 麻生vs菅、安倍内閣の重鎮同士のがっぷり四つ――。はた目にはこう映る。しかし内情はというと、

「蔵内さんがこれまで出した経歴書では、ある時期、会社で働いていたことになっていたかと思えば、フリーDJだったり、父親の秘書だったりと表記がコロコロ変わる。加えて、ブリヂストンの創業地である福岡6区では鳩山ブランドが根強い。結果、自民党は8月中に2度、世論調査を行ったのですが、1回目で鳩山さんが蔵内さんに2・5倍のポイント差をつけ、2回目はトリプルスコア以上に差が開いています」(同)

 がっぷり四つどころか、平幕と横綱の取り組みとなっているわけだ。その上、

「焦った麻生さんは8月末、鳩山事務所がある久留米(福岡県)に本店を置く地銀の会長に、蔵内後援会の会長就任を打診したんですが……」(同)

 当の地銀会長に聞くと、

「麻生さんからの依頼はお断りしました」

 現役財務相が「影響下」にある地銀に袖にされる赤っ恥をかかされた格好なのだ。

 旗色の悪い蔵内氏は、本人に代わって県連事務局長が、まず経歴に関して、

「会社勤務やDJはアルバイトで秘書もしておりました」

 こう答えつつ、

「党本部の公認が得られるものと信じております」

 と、半ば「神頼み」。どうやら現状は……。死せる鳩山、生ける麻生を走らす。

 現代版「福岡の寓話」? 

「ワイド特集 きょうびの寓話」より

「週刊新潮」2016年9月15日号 掲載

新潮社

最終更新:9/19(月) 5:50

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