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今年は香港、タイがグランプリ 子どもたちによる映像制作の世界コンテスト パラ期間中のリオで表彰式開催 パナソニックが主催

オーヴォ 9/20(火) 16:17配信

 パナソニックは次世代育成の一環として、世界の小中高生を対象にビデオ映像制作を支援する教育支援プログラム「キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)」を実施している。参加校へビデオ機材を貸し出し、初めての参加校には撮影、編集のアドバイスを行い、できあがった作品は各国優勝を経て世界レベルのコンテストで表彰する。「子どもたちが見た世界」を切り取り、世界へ発信している活動だ。映像制作を通じ子どもたちのチームワーク、創造性、チャレンジ精神を高める教育支援を目的としている。

 今年はパラリンピックが開かれているリオデジャネイロで表彰式が行われ、「多様性理解」をテーマにし、国際オリンピック委員会(IOC)の特別協力のもと開催。パナソニック鈴木茂雄・中南米総代表、国際パラリンピック委員会(IPC)のクレーブン会長、ゴンザレスCEO、オリンピック放送機構(OBS)のウォーレス・チーフコンテストオフィサー、リオと東京の大会組織委員会代表のほか、ブラジル人アスリートやパラリンピアンが出席した。小学生部門は香港の、中高生部門はタイの作品がグランプリに選ばれた。

 今年の応募テーマは「コミュニケーション」「エコ」「スポーツ」の3つ。スポーツは今回から設けられた。同社がIOCに加え、IPCのスポンサーになったことで、オリンピック、パラリンピックの理念に共感しスポーツマンシップや挑戦の姿勢を促進させながら、世界の「多様性理解」をテーマにしている。コンテストでは世界12の国・地域から371校の応募があった。各国ナンバーワンを選出し、最終審査ではファイナリストとして小学生3、中高生4作品の7学校がリオに招待され、世界ナンバーワンを発表。最終審査には合計9名の審査員があたり、映像芸術の専門家である伊藤有壱・東京芸大大学院教授をはじめ、世界各地の放送や映像、教育の専門家が参加。今年はIPCとOBSが「スポーツ」の視点で特別に審査に参加した。

 今年の最終ノミネート7作品は、家族、障がい者、世界の移民との交流や、スポーツの感動などをテーマに、多様性のある社会で、ともに支え合い、夢を叶える、強いメッセージの作品が多かったことが特徴だ。

 小学生部門でグランプリに輝いたのは香港のカウルーン・トン小学校。タイトルは「The Bigger Picture(より広い視野で)」。ある女の子は父親の帰りを毎日、寂しい思いで遅くまで待っている。これに先生が気づき、彼女の話に耳を傾け、励ます、思わずほろりとする心温まる作品。日常にある子どもならではの視点で同世代の家族や学校の生活を描いた作品。米国のプレイリー・ビュー小学校の「More than Race(勝者は誰だ)」は、障がい者とともに走るレースを描きながら、スポーツは勝利がすべてではないストレートに訴えた作品。

 中高生部門ではタイのアサンプション・サムットプラカーン校の「Missing Games(ミッシングゲーム」がグランプリに。ゲームに夢中になり日常に関心をなくした男の子が、ある日不思議な世界に迷い込み、家族の大切さ、現実でのリアルなコミュニケーションの知るという内容。ドイツのイーザンハーゲン中学の「How refugees are integrated through Sports(スポーツがつなぐ難民と社会)」は、ドイツに移り住んだシリアの難民が、スポーツを通じて社会に溶け込もうとし、それを受け入れるドイツのコミュニティーの姿を描いている。

 表彰式に参加した子どもたちは、パラリンピックと世界の多様性について理解を深めるため、大会期間中に選手村、放送施設、競技会場を訪れ、パラリンピアンや報道関係者へインタビューを行った。

 KWNは1989年、米国のパナソニックノースアメリカの発案で産声を上げた。当時、地域教育環境の変化、人種や移民の問題を背景に、不登校が深刻化していた。こうした社会問題の解決になればと、チームで映像制作に挑み心情の発露や仲間意識の醸成を目指したのがきっかけとなり、次世代育成支援の活動として、徐々に世界に広がった。2005年の愛知万博を機に世界コンテストに拡大。これまでの27年間で延べ18万人の子どもたちが参加してきた。2015年度には「青少年の体験活動推進企業表彰」で文部科学大臣賞(大企業部門)を受賞。

 参加した子どもたちからは「チームワークを学んだ」という感想が多くあり、これをきっかけに映像の世界に本格的に興味を持ち、第一線で活躍し始めた参加者もいるという。

 東京オフィスで世界のKWNを統括するコーポレート宣伝課の大島葉子さんは「これまでグローバルに長く続けられたのは創業者、松下幸之助の『物を作る前に人を作る』『製品を通じて社会に貢献する』という経営理念が、企業の市民活動に通じる部分があったから」と説明する。

 今後、東京2020に向けた新たな展開として、グローバルネットワークの強みを生かした「世界サミット」の開催を検討。世界のテーマを子どもたちとともに考えメッセージを発信する場を設ける。現在、表彰式にはグランプリ候補のチームを招待しているが、将来的にはグローバルコンテストに参加したすべての国のナンバーワンを、日本に招待する予定だ。表彰式を儀式に終わらせない国際交流と多様性理解の場を設け、東京で開催する予定。27年目の企業市民活動をさらにグローバルに発展させ、子どもたちの次世代育成支援活動に継続的に力を入れていく考えだ。

最終更新:9/20(火) 17:58

オーヴォ