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堀江貴文「カネ儲けは"大胆に動き出せる小心者"が勝つ!」

cakes 9月20日(火)18時50分配信

発売1週間で大増刷と売れ行き絶好調の書籍『ウシジマくんvs. ホリエモン 人生はカネじゃない!』。著者の堀江貴文さんが『闇金ウシジマくん』の名場面を材料に、人生を上向かせる具体策を説いた本です。
急遽、お届けする番外編では、同書の4つの主テーマに合わせ、それぞれの悩みを“たった1分”で解決してくれる名シーンを紹介いたします。1つ目のテーマは「カネ儲け」。成功の鍵はリスク管理にあるようです。


●素人がカネ儲けに手を出すリスクは大きい

 カネに悩んだり執着したりして、人生を棒に振るような危険性を、100%回避できる方法がひとつある。
 カネ儲けには一切、手を出さないことだ。
 『闇金ウシジマくん』でも現実社会でも、借金をつくったりカネに困ったりしている人の多くは、株やFX、パチンコや公営ギャンブル、怪しいネズミ講や投資詐欺など、何がしかのカネ儲けにハマッたのがきっかけで追いこまれる。

 過剰な買い物、新興宗教へのお布施、ホストへの貢ぎ……なども、カネを失う原因ではあるけれど、消費の目的の根っこが違う。カネを使うこと自体に喜びがあるので、借金うんぬんではなく心の問題だ。そっちの解決は医者に任せた方が良い。

 カネ儲けが目当てでつくる借金は、ケタが違う。貯金はすぐに底をつき、親類や知り合いにカネを借りまくっても、ぜんぜん足りなくなる。
 失った分を取り戻そうとして、さらに別のカネ儲けに借金を投じ、またカネを失っていく。悪循環のすえ、闇金に頼るしかなくなるというのが、転落のパターンだ。

 カネ儲け自体は悪いことではない。ただし、ちゃんとした知識と方法を学んでおかないと、失敗するリスクは高まる。要は、カネ儲けに目が眩んではいけないということだ。素人なら、なおさらだ。
 なかでも投資ビジネスは要注意。プロでもそう簡単には、うまくいかない。適切な準備をせずに、ラクにカネを殖やそうと挑めば、必ず手痛いしっぺ返しをくらう。

 リーマンショックが起きる以前に展開されていた、ベンチャー企業による外国為替を使った金融商品ビジネスの例を紹介しよう。
 リーマンショック以前は、米ドルの金利は約3%、オーストラリアドルやポンドは、もっと高かった。このためそれらの国の為替を日本円で買い、金利分だけ儲けようという投資ビジネスが一部で人気を集めていた。ゼロ金利が続く日本ならではの商法だったと言える。

 売り文句は「1万円投資すれば1万2千円になって返ってきます」という感じ。しかも元本の1万円はそれ以下に減らず、必ず戻ってくるという。しかし投資システムを細かく調べると、そう簡単な儲け話ではない。投資金がほぼ戻って来ないリスクも大いにあり得た。
 だけど個人投資家たちは、売りこんでくるベンチャー企業の口車にあっさり乗せられた。「元金が減らないなら買う!」と、続々とカネを注ぎこんでしまった。

●「いい儲け話を聞いた!」程度のノリは危ない

 もう少し進化した金融商品を、私も買ったことがある。だが私はシステムをきちんと理解した上で買っているので、売り主のベンチャー企業に「長いこと投資してると、リスクは高まりますよね?」と言うと、「……さすがわかってらっしゃいますね」と苦笑いされた。

 そしてリーマンショックが起きた。
 マネー市場が急激に円高に振れ、外国為替を買いまくっていた投資家は、大損しまくった。
 株式担保で投資していたオーナー株主も大勢いたが、株を手放さざるをえなくなった。あの時期、カネ持ちだった田舎の社長や土地成金の年寄りが、急に一文無しの貧乏人になってしまう話が増えたのは、そういうことだ。

 私は早い段階で、金融商品を売り抜けていたので、ちゃんと儲けさせてもらった。一般人よりは金融リテラシーがあるので、リスクの見極めと、適切なタイミングの見切りができる。だから、詳しい知識がないのなら、いい儲け話を聞いた! ぐらいのノリで、金融商品を扱う投資ビジネスに手を出すのは、なるべく避けよう。

 どんないい話にも絶対にリスクがあるということだ。リスクがわかれば、必要な知識と情報が何なのかわかってくるし、危険が迫ったときに最低限の対処法を速やかに取れるようにもなる。

 『闇金ウシジマくん』の『フリーターくん』編で描かれる、主婦が株の信用取引で失敗して、闇金にすがらざるを得なくなる事例は、日本各地で実際に起きたケースだ。この主婦は、会社員だった夫をアテにしていたことや、最後は持ち家を売れば安心だと思いこむなど、さまざまな部分でリスク意識が低すぎた。

 カネ儲けやビジネスにおいて、リスクの認識は必須だ。リスクが見えていれば、湯水のようにカネを奪われる事態は、ギリギリで回避できる。リスクゼロの儲け話など、世の中どこにもないと心に留めておこう。

●万全のつもりでもリスクはゼロにできない

 私はなるべく人混みを避けて暮らしている。ひとりでの行動も避けている。どんな不測のトラブルや事故に巻きこまれるか、わからないからだ。
 プライベートでもビジネスでも、リスク管理は万全のつもりだ。リスクをゼロにすることはできないが、リスクが起きる可能性を最小限に抑える工夫はできる。

 例えば、大金が動く業界のビジネスに関わっていると、ヤクザなど裏社会の人たちも、ちらほらと現れる。昔と違って現代のヤクザは、きちんとした身なりで、物腰も穏やか。名刺交換したぐらいでは、まったく気づかない。

 彼らもカネ儲けのプロなので、一部では表社会のビジネスをうまく回している。起業家のなかには清濁併せのむつもりで、相手がヤクザとわかっていても、事業面で一緒に関わっている人もいる。

 だが、私はこれまでもこれからも、絶対にヤクザと関わるつもりはない。社会的にも身の安全面でも、リスクの大きさがわかっているからだ。ヤクザとは少しの接点も持たないことを、絶対の信条にしている。それゆえ、裏社会系のトラブルには一度も巻きこまれたことがない。まあ、自慢にもならないけれど。

 ただ、一度収監された経験は箔が付くことらしいので、向こうの世界では変に「上のランク」扱いされているという。それもまったく自慢にならないが……。

 私が他の起業家よりも、資金集めが上手かったり、多少は世間的に発言力を持てるようになったりしたのは、「裏社会とは絶対に関わらない」など小さな決め事を守り、リスクを避ける工夫を積み重ねているからだ。運や勢いだけで、ここまでやってきたわけではない。

 世の成功者はみんな、人知れず勉強や工夫をしているのと同じぐらい、リスクヘッジに神経を尖らせている。よく言えば慎重、悪く言えば怖がり屋でもある。

それでいい。大胆に動き出せる小心者は、取るべきリスクと取ってはいけないリスクの見きわめができる。

 身に降りかかりそうな危険の回避と、リスクの向こうにあるチャンスを取りに行く勇気。この相反する決断を繰り返していけば、本当に「ヤバい」ものを嗅ぎわける嗅覚が身につくだろう。

堀江貴文

最終更新:9月20日(火)18時50分

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