ここから本文です

お店の名物が誕生! 第13回<お店、はじめます。~ギャラリー&カフェ開店を目指して~>

幻冬舎plus 9月20日(火)6時0分配信

中村 文(ギャラリーカフェオーナー)

 さて、壁塗りが終わって数日後には、別の友人親子に手伝ってもらい、壁の鉄板部分に黒板塗料を塗りました。黒板塗料というのは、文字通り塗った部分を黒板にしてしまうという面白い塗料です。巨大な黒板が誕生して、お店の名物がまたひとつできました。ここにメニューなどを書こうと思っています。

 次はこの空間に置く、家具や什器を考えないといけません。ウチには1つ大きなテーブルがあって、これは使おうと決めていました。このテーブル、この物件をお借りする際の残置物として置いてあったもの。木でできたシンプルだけど重厚なテーブルで、以前ここにあったというお花屋さんで使っていたものか、はたまたそれより前の新聞屋さんの仕分けや広告を入れる台にしていたのか……とにかく、このテーブルをセンターに置いて、家具の配置を考えていました。

 大テーブルに合いそうな手持ちのイスは1脚ありましたが、あと3脚は置きたいところ。それから他に2人席の小さなテーブルをいくつか置いて、と構想していたある日のこと。友人のFacebookでシェアされていた記事で、横浜の映画館でイスを入れ替えるので欲しい方いませんか? というものが目に止まりました。映画館のイス…って、座り心地がよく、いつの間にか寝ちゃって映画の肝心なところを見逃したりするあのイスが手に入るの? !  これは、貰わずにはいられない! と、tサンと盛り上がります。

 その映画館は、「横浜名画座」を引き継ぎ、オープンして25周年を迎える横浜・黄金町の「ジャック&ベティ」さん。2スクリーンあるミニシアターで、青が基調のスクリーン「ジャック」と、赤が基調の「ベティ」があります。今回はどちらのイスも入れ替えるということで、好きな方を選べるのです。映画館イスといえば赤のイメージですが、ウチのお店には断然ブルー! ということで、ブルーのイスを4脚ほどいただこうと考えました。

 ただ、映画館イスは取り外してみないと詳細がわからず、1席ごとに分けられるのか、3、4席がくっついた状態になるのか、不確定な部分が多いということで、事前に説明会などがあったり、イスが4脚繋がっていたらさすがに我が家の愛車キューブちゃんにも入らないのでトラックをレンタルしなくちゃ、など気軽にとはいかなくなってきました。でも欲しい! 

 店舗部分のどこに映画館イスを置くか、というやりとりで険悪になったりしながらも(毎度! )、当日を迎えます。混乱を避けるため、映画館には細かく決められた時間(15時45分)に行くことになっていて、その時間には友人が運搬の手伝いに駆けつけてくれる予定でした(本当にいろいろな友人に助けられています)。ただ、その日もギリギリのスケジュールにしてしまっていた私たちは、怒涛の1日を過ごすことになります。

 どうせトラックを借りるのだから、ついでに大テーブル用のイスも3脚買って帰っちゃおうと目論み、目指すは同じ横浜とはいえ映画館からは離れている港北区の家具屋さん。トラックを乗り付け、イスを探します。肝心の大テーブルの高さを計り忘れている、という私のミスもありましたが、そこはなんとなく座った感覚で……(笑)。

 いろいろ検討して、じゃあこれにしよう! というイスを2点選びました。そこで思いがけない一言が店員さんから! 「それでは、配送は9月9日以降となりますので…」え? ! 持って帰れないの? と聞くと、どうやらそのお店はショールームのようで、アウトレット品なら持ち帰れるのですが、それ以外のものは配送センターから一週間ほどで送られるとのこと。この日は9月3日でしたので、10日あたり。頑張って早めても9日になると。私たちのお店のオープン予定日は、9月8日なので……と無理は承知でお願いしても、どうにもならないようで、それならば仕方ないと諦めます。またものんびりしていたことが悔やまれます。

 さて、代案を考えないといけないし、映画館イスももらいに行く時間もあります。幸いそこから近いところにIKEAがありました。もともと急ぎではないけれど、補助椅子的なものをIKEAで買おうと言っていたので、道中サイトを検索して普通のイスの候補をあげながら、向かいました。自分で塗ることができる白木のイスがあるみたい、しかも3,000円くらい!  じゃあひとまずそれに狙いをさだめて、他のも見つつ考えよう、と、iPhone片手になんとか代案も決まったところでIKEAに到着です。

 お店の準備中も、何度かIKEAには行ったのですが、私たちが行くのはたいてい平日、しかも閉店間際などで、とってもゆったり見られるお店だったのですが、この日は土曜日!  ものすごく賑わっていました。それでも目的のものを急いでチェックして、補助椅子の丸イスも決め、さらには可愛いベンチも買うことにしました。

 そこで、気が緩んだ私たち、ちょっとお腹が空いたね、とフードコートへ行ってしまうのです。そこも当然混み合っています。でも食べると決めたら急激にお腹が空いてきてしまい、列に並んでしまう私たち。ようやく買えていざ食べよう、となったら、すでに時間ギリギリの状態になってしまいました。まったく学習しない私たちです。その後、駐車場を出るときの渋滞もあり、かなり焦りましたが、ちょうど時間ぴったりに映画館に到着するという映画のような展開に。

 私たちが到着した頃には、けっこうな数のイスが運び出されていて、残っていたのは1席だけ欲しいカップルと、12席くらいまとめて持って行く若者たち、それに4席くださいと言っていた私たちだけでした。座席は4席が繋がっている状態で、そのままならすぐに持ち帰れるとのこと。しかし2脚×2個が理想の私たち、うーんと悩んでいると、お手伝いにきていた方が鉄骨を切って2席ずつにしてくれるとのこと。ラッキーです! 

 トラックのレンタル返却の時間や雨雲にひやひやしながらも、なんとか映画館イスはお店に到着、ちょうどイスを下ろしたときに雨が土砂降りの雨が降ってきて、ギリギリセーフ!  オープンのときもそうだったのですが、雨雲は私たちの味方をしてくれているようです。

 映画館イスも、ばっちりお店の名物になってくれそうです。苦労して運んだ甲斐がありました。もうオープンは間近です!  急げ急げー! 


■中村 文(ギャラリーカフェオーナー)
たかしまてつをアシスタント、DTPデザイナーなどもしながら、趣味の写真で愛猫ナロの姿を撮り続ける自称ナログラファーでもある。最近増えた猫家族の「えん」にもメロメロ。著書に、ブログ「あすナロにっき」をまとめたフォトエッセイ集『あすナロにっき』『あすナロびより』、幻冬舎の文芸誌「GINGER L。」で連載した猫エッセイ『tサンとナロ』。

最終更新:9月20日(火)6時0分

幻冬舎plus

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]