ここから本文です

ウィルチェアーラグビー悲願のメダル獲得も、すでに思いは4年後へ

webスポルティーバ 9月20日(火)14時20分配信

 リオデジャネイロパラリンピック、ウィルチェアーラグビー3位決定戦。

 試合終了のブザーが鳴り響くと、エースの池崎大輔が、ボールを天井に向けて高々と叩き上げた。キャプテンの池透暢(ゆきのぶ)が猛スピードで池崎に駆け寄る。2人は抱き合ったが池の勢いに押され、池崎は車イスごと転倒した。起き上がった池崎はトレードマークの眼鏡を外し、涙をぬぐった。

【写真】車いすテニスの国枝慎吾。ダブルスで齋田悟司と銅メダルを獲得し、最後は笑顔で終えた

 池が全員に集合をかける。選手12名、さらにコーチ、スタッフ8名。カリオカアリーナに20人の大きな輪ができた。互いの健闘を称え合い、喜びを分かち合い、輪を解くと観客席に向かって拳を突き上げ、大きく手を振り、深々と頭を下げた。日本はリオデジャネイロパラリンピックで悲願のメダルを獲得した。

 2004年アテネ大会からスタートしたウィルチェアーラグビー。アテネ8位、北京7位、ロンドン4位と日本は着実に順位を上げてきた。そして、2015年11月に行なわれたアジア・オセアニアチャンピオンシップでは、ロンドン大会金メダル獲得、前年の世界選手権優勝の強豪オーストラリアを撃破。今年5月のジャパンパラ競技大会ではアメリカに2連勝し、6月のカナダカップでは当時、世界ランキング1位のカナダを倒した。

 日本をはじめ、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリスの5カ国の実力が拮抗するなか、選手たちはみな「自分たちにとってリオでのメダル獲得は“目標”から“使命”に変わった」と語るようになった。

 そして、リオに向けて出発する日、「ロンドンの悔しさをバネに4年間やってきた。今までの自分と違うところを見せる」とエース池崎は誓い、池は「自分たちのパフォーマンスで“魅せるウィルチェアーラグビー”ができたら、その先に金メダルがついてくる」と自信を示した。

 日本はスウェーデンとの初戦、池、池崎、乗松聖矢、岸光太郎のセカンドラインが先発。池・池コンビが力の差を見せつけ、最年少・26歳の乗松が攻守に活躍した。第1ピリオド14-8とリードを奪うと、その後は目まぐるしくメンバーチェンジ。池、池崎、若山英史、今井友明のファーストラインだけでなく、バリエーションの豊富さで勝負し、50-46で勝つ。それでも、キャプテン池は第3ピリオドで1ポイント、第4ピリオドで2ポイント、相手に多く得点されたことを「コミュニケーション不足」と反省した。

『試合で見つかった課題を次の試合までにしっかり修正する』

 日本史上最強と評されるチームの強さの源はその対応力にある。そのことを証明してみせたのが、フランスとの予選第2戦だった。池、池崎に加えてベテラン島川慎一が得点を重ねる一方、比較的障害の軽い仲里進が敵ボールを奪い、障がいの重いローポインター若山、今井、岸らが壁となって相手の攻撃を阻み、味方のコースを創出。チーム一丸となってフランスを翻弄し続け、57-52で圧勝。準決勝進出を決めた。

1/3ページ

最終更新:9月20日(火)14時20分

webスポルティーバ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月22日発売

定価 本体1,389円+税

フィギュアスケート特集号
『羽生結弦 異次元のシーズン』
■羽生結弦 インタビュー、厳選フォト
■浅田真央 復帰シーズンを振り返る

豊洲へなぜ市場移転 経緯と課題

築地から市場が移転される豊洲で、都が土壌汚染対策をしていなかったことが発覚。そもそもなぜ豊洲に移転するのか、経緯と課題を知る。