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チェルシーに初黒星を付けたクロップ・リバプールの“優勝への意志表明”

SOCCER DIGEST Web 9月20日(火)15時30分配信

全員で攻め勝つクロップ・リバプール!

「俺たちは優勝の有力候補だと言わせてくれ!」
 
 去る9月17日の夜、『Talk SPORT』のラジオ番組に意見を寄せたリバプールの男性サポーターはそう叫んでいた。その声からは興奮がありありと伝わってきた。
 
 リバプールは前日のプレミアリーグ第5節でチェルシーを2-1で下し、相手に今シーズン初黒星をつけたばかりだった。しかも、敵地で攻めに攻め、勝つべくして勝ったのだから無理もないだろう。
 
 開幕早々にファンが浮かれているとみなすつもりもない。同節のプレミアでベスト11を選べば、中盤と前線は開幕5連勝で首位を走るマンチェスター・シティとリバプールによるポジション争いとなるはずだ。
 
 リバプールはチェルシー戦の勝利で、開幕からアーセナル(○4-3)、トッテナム(△1-1)と続いてきたアウェーでの強豪対決で計7ポイントを獲得。国内各紙では“優勝狙いの意思表明”だと報じられた。
 
 厳密に言えば、“全員で攻めるユルゲン・クロップのリバプール”による意思表明だ。チームは、昨年10月に就任した指揮官が思い描くように機能しつつある。チェルシー戦を見ても、前線と中盤は前後左右にポジションチェンジを繰り返し、互いの意図を完璧に理解しているかのような呼吸の良さでボールと選手が相手ゴールへと動いていた。
 
 今夏にスタイルが合わないクリスティアン・ベンテケ(クリスタル・パレスに放出)に代わるFWとして、サウサンプトンから加えられたサディオ・マネは、3トップの右ウイングに入り、逆サイドで先発したフィリッペ・コウチーニョにも負けない存在感を放っている。
 
 効果的に中央にも顔を出す姿は、時として、さりげなく巧いコウチーニョの他にもう1人、露骨に速いコウチーニョが前線にいるかのように思えたほどだ。
 

【プレミアリーグPHOTO】チェルシー 1-2 リバプール

 一方、5節を終えてクリーンシートがないことから(計8失点)、守備の引き締めが必須という指摘もある。だが、明らかに攻撃的なチーム像を考えれば、ボール支配率7割で敗れた2節バーンリー戦を一過性の「零封負け」として終わらせることの方が、重要になるのではないだろうか?
 
 吉兆は、得点意欲が全体に浸透した感があること。それは得点者の多様化にも表れている。
 
 チェルシー戦は、開幕から好調だったロベルト・フィルミーノを怪我で欠き、CFで先発したダニエル・スターリッジが精彩を欠いていたが、CBのデヤン・ロブレンとアンカーのジョーダン・ヘンダーソンがネットを揺らしたのだ。
 
 そんなリバプールの次なるビッグゲームは、10月17日の第8節、ホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦。伝統的に順位が最終結果の指標となると言われるクリスマス前は、これが最後のビッグクラブとの対戦でもある。
 
 チェルシー戦後に指揮官が納得の自軍評として口にした「Football like hell(猛烈なサッカー)」でゴールとポイントを重ねることができれば、トップ4内でのクリスマスは現実的になる。そして、開幕早々の意思表明が格段に信憑性を増すはずだ。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 

最終更新:9月26日(月)16時40分

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