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日本の不動産「爆買い」から撤退する中国人

JBpress 2016/9/20(火) 6:15配信

 国家権力を以てしても個人の所有権を奪えないという、日本の登記の効力も魅力なのだという。

■ 強化された送金規制

 その一方で、中国人からの日本の不動産への「問い合わせが半減」していることの理由について、この中国人はこう語った。

 「中国で送金規制がさらに強化されたのです。中国人投資家は誰もがこの送金の問題に頭を痛めています」

 中国では国家外貨管理局が「1人当たり年間5万ドルまでしか持ち出せない」と規定しているため、中国人富裕層はあの手この手で資産を海外に持ち出してきた。その手口の1つが、「蟻の引っ越し」(蚂蚁搬家)だ。協力者を何人も集めて、それぞれに上限の5万ドルを海外に持ち出させるのだ。仮に10人集めれば、50万ドルの送金ができる。中国人富裕層は、こうした人海戦術によって海外で高額な不動産を購入してきた。

 ところが、そのやり方が突如できなくなった。加速する資産流出、歯止めがかからない外貨準備高の減少に、国家外貨管理局が業を煮やし、規制強化に乗り出したのだ。今年1月から、割り当てられた枠を他人のために使う行為は厳しく取り締まられるようになった。「同一の海外口座に5人以上が送金を行った場合、名義貸しを行った人は当局のブラックリストに載せられてしまいます」とこの中国人は首をすくめる。

 円高に加えて中国側の政策変更により風向きは変わった。湾岸エリアでは東京五輪を待たずして、早くも「爆買い手じまい」となりそうな空気が漂っている。

姫田 小夏

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最終更新:2016/10/5(水) 23:45

JBpress

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