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日銀よ、市場の「恐喝」にビビったら負けだ

東洋経済オンライン 9月20日(火)20時30分配信

 日米両国の金融決定会合の結果が21日昼、22日未明に相次いで発表される。ここは「逆張り」で予想を行ってみたい。

■米国は「理屈優先」で利上げに踏み切る可能性

 まず、単純だが、難しい米国の方から。

 弱い実体経済の指標から、「利上げは見送り」という雰囲気で、株式も為替も、それを織り込んだかのような動きだ。だが、債券市場はそれほどでもない。9月でも12月でも同じ、ということかもしれないが、債券市場が最も「利上げ見送り」を織り込んでいない。

 これは投資家関係者と中央銀行の人々の、「もともとの感覚の違い」がある。市場は、インフレになれば利上げ、利上げ見送りのコストが高まってくれば利上げ、という考え方で、ベースは緩和、必要になれば、利上げ、ということだ。一方、中央銀行の側は、あくまで利上げではなく、金利正常化だ。ゼロ金利は脱却したが、依然異常な低金利、まだまだ正常化のプロセスは道半ば。ここでは、異常事態がない限り正常化で、大きなリスクの懸念が少しでもあれば慎重に、というスタンスだ。

 今は、利上げの必要性は緊急にはない。だが、利上げに対するささやかな景気後退リスクはあるが、それは「大きなリスクで少しの確率」というわけではなく、小さなリスクの確率がだいぶん上がった、ということだ。したがって、正常化、という文脈なら利上げはあり得るだろう。さらに言えば、利上げが遅れる、という大きなリスクの確率は低下したが、依然存在する。これも正常化の理由になる。

 よって、米国は利上げの可能性はまだ十分にあると思う。ただ、やや逆張り感はある。ただし、論理としては利上げの方が正しいので、最後は中央銀行としては理屈優先ではないか。

では、日本はどうか?何かあるのか?

 一方、日本は、複雑だ。

 日本は、「日銀は今回追加緩和見送り」という予想が大勢を占めているようだ。麻雀にたとえた議論もあるが、「いつも11月近辺だから、今回も」という議論、あるいは「政治的な日程へ配慮するはず」だとか、さらには「今回は総括するだけで、動きは次回に」、などといった予測が多い。

■なぜ「日銀は動く」と予想するのか

 私は、今回「総括だけして手ぶら」という訳にはいかない、と市場にビビっている日銀は考えると予想し、何らかの動きはしてくると予想する。

 米国は、利上げも利上げ見送りも、どちらの論理も単純明快、どちらを判断するか、ということだけだ。一方、日本は、論理自体がはっきりしない。その根底には、日本においては、緩和を継続するべきか、拡大するべきか、ということについての理論的根拠がそもそも存在しないことにある。

 日銀は、なぜ大規模な金融緩和をしているのか。

 謎である。あるいは、理由はないが、することになっているからしている、ということか。

 実体経済は強いわけではないが、労働市場はほぼ完全雇用、景気減速という訳でもない。唯一の問題は、物価が上昇していないことだ。

 ここは意見が分かれるところだが、物価が上昇しなくて何が悪い、実体経済からの理由で金融政策を引き締める必要がない(資産市場からは引き締めるべきという理由はあり得る)だけで、それはむしろプラスではないか。

 2%の物価上昇率を何としても達成しなくてはいけない、という目標が間違いであるだけで、日本経済は何の問題もない(景気対策のために金融政策をする上では)し、金融政策も問題はない(個人的には違う意見だが)。だから、ここで何も金融政策を変更する理由はない。

 総括するとすれば、従来でいえば、物価が上がるはずなのに、物価だけが上がらない。それはなぜだろう。それを考えれば良いだけなので、ああ、金融政策は順調、ただ物価だけが上がらないが、それはまあ気長にやるとしよう、ということになるのが自然だ。

 ただ、さすがにもうちょっと真面目な言い方をしないと日銀としては「持たない」ので、「2年という目標は達成できなかったが、日本経済は順調に回復した。物価が上昇しないのは、経済の構造変化、外的環境などがあり、また日本社会のマインドが慣習化したからであり、金融政策としては、外的環境が変化するのを待ち、マインドの慣習化に対しては粘り強く戦っていく、だから2年という期限は撤廃するが引き続き、現在の金融緩和を続ける」ということになる。

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最終更新:9月20日(火)20時30分

東洋経済オンライン

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