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肉が下に落ちる!アラフォー女の謎肉祭は鎖骨見せで解決!?-トミヤマユキコ

女子SPA! 9月20日(火)9時10分配信

―40歳までにオシャレになりたい!Neo トミヤマユキコ―

 ファッションに興味はある。服を選ぶのは嫌いじゃない。ダサいわけでもない。でも、ガチで女らしい格好はちょっと恥ずかしいし、シンプルシックな格好はどうにもつまらない。

 そこで、ついつい変な服を選んでは、オシャレ/非オシャレの圏外に飛び出し、いい大人なのに「オシャレっていうか、なんかおもしろい服を着ている人」状態に……そんな悩みを抱えた読者は少なくないはず!

 おもしろ最優先で生きてきた結果、人生も洋服も若干とっ散らかり気味な著者が、40歳までにオシャレになるべく奮闘するコラム連載第3回!

◆第3回 「鎖骨見せ」で大人の女を演出したい!

 アラサー、アラフォーが言いがちなことのひとつに「痩せたんじゃねぇ……加齢で肉が落ちたんだ……」というのがある。かつてむっちりと全身を覆っていた肉が、気づけば重力に負け、下へ下へと……。その結果、腹まわりの肉はだぶついているのに「鎖骨まわりだけやたらスッキリ」という謎体型が完成する。

 わたしもここ2~3年で謎体型の仲間入りを果たした。もともと痩せ型なのだが、それでも肉は落ち、腹部に溜まった(体重の増減はほとんどない)。風呂場の椅子に腰掛け、シャンプーしようと前屈みになると、空気が抜けた浮き輪みたいな、ひしゃげた肉が腹にぐるっと巻き付いている。人は歳を取ると、痩せたままたるんでゆくのだなあ(つらい)。ジムにでも通っていれば、この状況を先延ばしにできたのかも知れないが、朝から夕方までパジャマで過ごすような人間には、土台ムリな話である。

 しかしながら、謎体型にもいいことはある。若い頃だったら「どうせ胸の谷間を見せたいだけでしょ!」みたいになりがちだった鎖骨見せスタイルを、色気抜きで楽しめる。肉が落ちたことで、いい感じにスッキリする胸元、これは大人の特権だ。肉を見せる時代が去り、骨を見せる時代が来たのだ。襟ぐりの大きく開いた服を着ていても、妙なエロさがなく、大人の余裕すらかんじさせるこのスタイル、マスターしておいて損はない。

 そこで頭をもたげるのが「Vネック問題」だ。鎖骨を見せるのに適しているのは、なんといってもVネック。しかし、わたしには昔から「Vネックは自分に自信のある人が着るもの」という偏見があるのだった。Vネックを日常的に着てる人って、男も女も、平均以上に性的魅力があって、本人もそれを自覚しているように見えませんか? あと、Vネックを着た人は怖いけど(極端な例として、ホストの私服を想像してください)、クルーネック(丸首)を着た人は怖くないと思いませんか? ちなみに仏像ってかなり胸元が開いていて鎖骨見えまくりなんですが、あれだって、着てるのがだるんだるんのクルーネック(Uネック?)だから怖くないのであって、Vネックだったら絶対おっかないと思うんですよ!

 このような偏見に縛られ生きてきたわたしは、Vネックを単体で着たことがない。たまにVネックのセーターを買うようなことがあっても、その下に必ず何かを着て、トガった感じを消していた。そしていま、うちのタンスには、Vネックの服が一枚もない。どんだけ苦手なんだよ。

 しかし時は流れ、40歳を数年後に控えたわたしは、大人の女を演出するため再びVネックを着たい、みんなの視線を鎖骨へ集めたい、と考えるようになった。もう「Vネック怖い! あれは自信満々なやつらの服!」といった偏見を振り回している場合ではない。過去のトラウマはもう乗り越えなければ。

 そこでいつものように雑誌を読み、街を徘徊してみたところ、「大人の女には浅めのVが良さそうだ」ということがわかった。胸の谷間まで見えてしまいそうな深めのVは、色っぽくなりやすく、それはそれでいいのだけれど、どうしても圏外ファッションに近づいていってしまう。

 あと、鎖骨見せといえば「オフショルダー」という手もあるにはあるが、今流行の肩出し&ひらひらのオフショルダーは、色気が出過ぎてしまうこともさることながら「今くるよ師匠かな?」と思ってしまって、なんだか落ち着かない(今くるよを知らない平成キッズのみなさんは、是非ググってみてください)。

 というわけなので、Vネックについてとりあえず「深めのVとオフショルダーはナシ。まずは浅めのVを買うべし」ということでよいのではないか。

※画像:WEAR

 このように、鎖骨まわりがキレイに見える浅めのVネックは間違いなく使えるアイテムだが、調査を続ける中で、ボートネックも同じような効果があると気づけたのは、予想外の拾いものだった。

 ボートネックは、どちらかというと圏内ファッションと馴染みのいいもので、ふだんは欲しいと思わないのだが、デザイン的に鎖骨しか見えない(うっかり下着が見える危険性がない)ので、露出が多いのはちょっとなぁ、みたいな人にはすごくいいと思う。そこからちょっとずつ慣らして、もうすこし胸元が見えるVネックへ歩を進めれば尚良しだ。

※画像:WEAR

 ちなみに、元担当編集のIさん(ファッション大好き)が教えてくれたところによると、今シーズンは全体として「かなり鎖骨が見える開きで、後ろ身頃が長くてゆるっとした、いわゆる女っぽいシルエットが多いイメージです」とのことで、つまり鎖骨見せをマスターすると、ついでに今っぽい格好もできてしまうということらしい。すごくお得である。

 この秋冬は、浅めのVネックでオシャレすると決めた……のはいいのだが、そうなると、我が家にあるクルーネックの服はどうなるのだろう。サブカル女はボーダーを着がち、という噂があるが、わたしはまさに噂通りの女である。家にはつねにクルーネックのボーダーシャツがある。だって、ただ生きているだけで、自然発生的にボーダーが寄ってくるのだ。自分で買ったものもあるし、母親からのお下がりもあるし、半袖も長袖もある。いつの間にかある。ボロボロになって捨てたりもしているのだが、気づくと新入りがやってきていて、タンス内のボーダー率は一定に保たれてしまう。それほどにわたしのボーダー依存は深刻。

 というのも、わたしにとって、ボーダーシャツというのは、圏内と圏外のちょうど中間にあるすごく便利なアイテムなのだ。「悪目立ちしたくはないが、かといって何の主張もない服は嫌だ」という場合、圏外ファッションのブランドが出しているボーダーを着ると、すごく塩梅がいいのだ。「あからさまに変な服ではない! でも個性は捨ててねえぞ!」と思うと、自分的に落ち着くというか、圏外ファッション愛好家のプライドが保たれる。心の安寧は大事だ。

 しかしわたしは、シックにVネックを着こなせるようになるまで、愛すべきクルーネックのボーダーを封印せねばなるまい。それかボーダーの胸元をハサミでVの形に切るとか? いやだめだ、それだとリメイクが得意な圏外ファッション好きでしかない! いずれにせよ、Vネックについてはなかなかに厳しい修行がわたしを待ち受けている。

【トミヤマ・ユキコ】

ライター・大学講師。大のパンケーキ好きが高じて著したガイド本『パンケーキ・ノート』(リトルモア刊)が話題に。大学では少女マンガ・サブカルチャーについての講義を担当している。そのほか「週刊朝日」、「文學界」、「ESSE」などで書評・コラムを連載中。ファッションに対して積もり積もったコンプレックスあり。

Twitter @tomicatomica

タイトルイラスト/澁谷玲子

女子SPA!

最終更新:9月20日(火)9時10分

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