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「不安」の科学的説明 体内時計のメカニズム

オーヴォ 9/21(水) 12:07配信

 暗い時間が長い季節になると、気分が沈む。緯度が高い国に住むと、冬は精神的に厳しい。そんな声は少なくない。いわゆる“体内時計”が感情に影響を及ぼしているらしいことは分かっていたが、東大大学院理学系研究科の研究グループが、これを科学的に解明した。

 地球上のほぼすべての生物が「概日時計」と呼ばれる体内時計機能を持っている。。睡眠と覚醒のリズムや、ホルモン分泌リズムなどがこれだ。この体内時計が外界の明暗環境に同調できなくなると、生理機能や哺乳類の情動に影響が出る。例えば時差ボケやシフトワーク、不規則な生活で気分がすぐれなくなったり、冬季うつ病などもこのせいだと考えられている。だが、体内時計がこの情動を制御するメカニズムは、これまでほとんど解明されていなかった。

 今回、東大の研究グループは、マウスの不安行動が一日の中で時刻によって変化し、脳内のSCOPというシグナル伝達因子がこの制御に必須であることを発見した。この発見は、「不安」が一日の中で変動することが、動物の生存にとって重要な機能を持つ可能性を示唆しているという。つまり、一日の危険な時刻には、捕食者からの攻撃に備えて不安レベルを高めておくことは有利に働くだろうし、安全な巣穴に戻れば、不安を解消してストレスを軽減することも必要だからだ。これを人間の場合で考えると、現代人は自然環境とは大きく異なる光環境で生活することが多く、その情動や異常について、新たな視点からの理解を深める可能性を秘めているという。

最終更新:9/21(水) 12:07

オーヴォ