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“身代わり出頭横行”で家宅捜索 競争激化「佐川男子」の裏事情

週刊文春 9月21日(水)12時1分配信

 イケメンドライバーがずらりと並ぶ写真集などで乙女心を掴んだ佐川急便の「佐川男子」が、ヤクザもびっくりの犯罪行為に手を染めていた。警視庁は9月16日、運輸大手の佐川急便の東京営業所(東京・江東区)を犯人隠避教唆などの疑いで家宅捜索した。

 警視庁担当記者が説明する。

「5月にある社員がトラックを運転中に駐車違反をして違反切符を切られた際、知人の男性を身代わりに出頭させた疑いが出ています。この知人男性が普通免許しか持っていなかったために発覚しました。社員は『駐車違反で人事評価が悪くなるのを避けたかった』などと供述しており、出頭した知人男性は社員から謝礼を受け取っていたようです。昔のヤクザには『親分の代わりに懲役に行ってきます』と身代わり出頭する組員がいたものですが、罪の軽重はあるにせよ、同じこと。他の複数の社員も知人を身代わり出頭させていた疑いがあり、警視庁では悪質な違反逃れが横行していたとみています」

 こうした“組織的”な不正は、最大のライバル、ヤマト運輸でも過去に発覚した例があるという。

「ヤマト運輸では、普通免許しかないドライバーに中型トラックを運転させていたことが発覚し、2013年に警視庁が摘発しています。大手がこれでは、中小の企業がひしめく運輸業界の状況はおして知るべしです」(同前)

 なぜこうした不正が後を絶たないのか。物流業界関係者は、06年に導入された駐車監視員制度などを柱とした駐車違反取り締まりの強化を理由の一つにあげる。

「業界も小型の集積場を増やすなどの対応を取り、警察も時間帯を限って駐車を認めるといった寛容な対応でしたが、東京都トラック協会の調査では、回答した企業の半数が14年中に違反取り締まりを受けたことが発覚しました」

 一方で、国交省が毎年とりまとめる「宅配便取扱実績」によれば、09年頃を境に、宅配便の取り扱いは31億個から37億個に急増。

「インターネット通販が拡大した影響だろう。13年に大手のアマゾンの配達が、佐川急便からヤマト運輸に変わるなど、熾烈な争いが続いている。結果として違反も増えているのでは」(捜査関係者)

 激務に耐える佐川男子。とはいえ犯罪行為は許されない。


<週刊文春2016年9月29日号『THIS WEEK 社会』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:9月21日(水)12時6分

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