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目先の人事評価より出世が大事! 課長になれば○○万円の年収アップ

NIKKEI STYLE 9月21日(水)11時10分配信

プロが明かす出世のカラクリ

 平均年収が下がり続けている、ということが言われ始めて20年近くになります。言い換えれば、今の40代前半までの人たちは、平均年収が下がっていく時代しか知らないということでもあります。統計(国税庁の民間給与実態統計調査)では1998年を頂点として、およそ50万円、給与所得者の平均年収が下がっています。

 しかしより深刻なことは、一般社員層の年収が下がっている点です。全体の下がり幅が50万円ほどであるのに対して、一般社員層の年収の下がり幅はおよそ100万円。月給にすれば6万円~8万円くらいになります。その結果、一般社員のままでは十分な生活ができなくなっているのが現実なのです。

 この事実を人事の仕組みから読み解きながら、会社に人生を預けてしまう「入社」意識の危険性をあらためて考えてみましょう。

■なぜ一般社員の給与は増えなくなったのか

 グラフからもわかるように、2002年時点での一般社員の給与は30代後半までどんどん増え続けていました。

 2002年時点で20~24歳の平均年収は約315万円でした。それが35~39歳になると約565万円にまで増えました。その差は250万円。つまり、誰でも入社して15年くらいは毎年の昇給が14000円くらいはあったということです。

 しかし2016年では20~24歳の平均年収は約295万円。この時点ですでに20万円も下がっています。そして35~39歳でも463万円までしか増えません。その間に増える金額は約170万円で、毎年の昇給平均は9400円ほどです。

 なぜこのような状態になったのかといえば、それは人事制度の仕組みが変化していったからです。

■評価があたりまえになって定期昇給が消えた

 2000年初頭の時点ではまだ多くの会社で、年功主義的な昇給が残っていました。ある一定の年齢までは評価に関わらず昇給をさせていく、定期昇給と言われる仕組みが残っていたわけです。また、ベースアップという仕組みもありましたこれは定期昇給と同じように一律で給与を増やす仕組みですが、定期昇給が年次によって昇給させる理屈であるのに対して、ベースアップは物価上昇にあわせて昇給させる理屈でした。ざっとした金額ではありますが、当時は誰でも定期昇給1万円、ベースアップ3000~4000円の昇給を得ていたわけです。

 このベースアップや定期昇給という仕組みに手をつけられはじめたのは1998年以降のことで、労働組合は春闘で、ベースアップを守ろう、定期昇給を守ろうとしてきました。しかし企業側の業績悪化は著しく、ベースアップは実質的に廃止されてゆきます。さらに定期昇給も見直しが入るのですが、その一つの象徴が、カルロス・ゴーン氏が実施した「日産リバイバルプラン」における「賃金改善」という概念です。誰でも同じくらいは給与が増えた定期昇給ではなく、平均額をベースにして、評価によって大きく給与が増える人とそうでない人を区分する仕組みです。

 私を含めた当時の人事コンサルタントたちは、企業の要望に応えて、評価によって昇給額に差をつける仕組みを広く普及させていきました。やがて定期昇給も死語となり、今では評価によって昇給額が決まることが当然となっています。

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最終更新:9月21日(水)11時10分

NIKKEI STYLE

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