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ケタ違いの成長企業はここが違う! 「野心的な目標」の達成法

NIKKEI STYLE 9/21(水) 15:10配信

「飛躍する方法」を読む

 指数関数的に成長する飛躍型企業は、その設計図を理解すればつくることができる人工的な組織です。設計図は「野心的な目標」と「外部の5要素」「内部の5要素」から構成されます。

 「野心的な目標」は、世界中の人々の野心的な想像力をかきたてて、世界に放たれる飛躍ののろしです。例えば「世界中の情報を整理する(グーグル)」「10億人の人々によい影響を与える(シンギュラリティ大学)」「価値のあるアイデアを広める(TED)」などが代表例です。

 野心的な目標を達成するために飛躍型企業はS-C-A-L-Eの5文字で要約される「外部の5要素」を活用します。

 Sはスタッフ・オン・デマンド。必要に応じて契約される契約社員などの外部人材です。

 Cはコミュニティーとクラウド。前者はユーザー、顧客、元社員や仕入れ先、協力先、ファンなどで、後者は群衆です。飛躍型企業内部の従業員をコアとみれば、それを取り巻くようにコミュニティー、スタッフ・オン・デマンド、クラウドの層が位置しています。

 スキルの賞味期限が短くなった時代にあって社内人材のみに頼るのはリスキーです。旬のスキルを調達すべく外部人材の活用を人材マネジメントのど真ん中に据え、外部人材も含めて人々の協調的な行動を引き出す方法としてエンゲージメント(E、愛着を持たせる)の趣向をこらすのが飛躍型企業の流儀です。

 Aはアルゴリズム。AI(人工知能)やロボティックスを含めた自動化機能を象徴し、人材を代替・補完する存在と位置づけます。Lは外部資産(レバレッジアセット)で、資産の所有は最小限にとどめ、外部資産の借用で機動性を保ちます。

 まとめると、最小限の正社員をコアにしつつ、外部人材(S、C)やアルゴリズム(A)、外部資産(L)など「外部」に触手を伸ばし、エンゲージして(E)、伸縮自在のSCALEを実現するのが飛躍型企業です。

■ケーススタディー 見ず知らずの人同士が分業し、知見やデータを活用

 SCALEを体現する企業の事例として、本書が取り上げているギットハブの話を紹介します。

 ギットハブは、オープンソースのプログラマー向け情報共有サービスを提供する企業です。複数人でプログラミングをする場合、プログラムの基となる「ソースコード」をギットハブで共有し、「誰がどの部分を修正したのか」といったことを管理することができます。

 このように書くとかなり特殊な「業界」の話にきこえるかもしれません。私もこのケースを読み始めたとき、はじめはそう思いました。しかし今後、この本が述べるような飛躍型企業( Exponential Organizations )が増える場合、この事例でとりあげるプロジェクト型の仕事も増えると予想されます。つまり、「ネット上で、見ず知らずの人同士が、仕事を分業」し、しかも仕事が一度きりではなく、「仕事を通じて得られた知見やデータを、後続の見ず知らずの人々が、活用して、その上にのった仕事を遂行できる」といった事例が増えるという予想です。この予想が正しければ、ギットハブが示す例は、決して特殊な業界の特殊な人々の間での仕事ではなくなると考えます。

 さて、ギットハブのサービスの中核は、プログラマー間のコラボレーションを支援することです。技術的にいえば、ギットハブとは諸プロジェクトのためにリポジトリ(ファイルをまとめて保存する保存庫)を管理するサービスです。その際に、他人が作成したリポジトリの複製をつくる機能や、複製したファイルでコードを書き、その結果を複製元の作成者に通知するといった機能が備わっていて、オリジナルのソースコードを改善していくコーディング(プログラムを書く作業)のプロセスがうまく管理できるようになっています。

 こうした機能が使いやすい形でそろっていることもあり、ギットハブのコミュニティーには開始から6年間で600万人以上の開発者が集まるようになりました。彼らは1500万件以上のオープンソースプロジェクトに参加し、協力しています。ちなみに、シリコンバレーではソフトウエア開発者の採用や給与がギットハブ上の評価に大きく左右されるようにさえなっています。そのため開発者は自分の評価を上げようとして、定期的にギットハブ上に自分が書いたコードをアップロードするのです。

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最終更新:9/21(水) 15:10

NIKKEI STYLE

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