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「好きなことを仕事にする」の幻想と現実

ライフハッカー[日本版] 9月21日(水)23時10分配信

キャリア選びに関して、幾多の書籍や記事で繰り返し議論されているテーマの1つに、「好きなことを仕事にする」という考え方があります。キャリアを選ぶときは、「情熱に従え」を金言とすべきなのでしょうか? それとも、収入や適正を基準に選ぶべきなのでしょうか?

どちらの考え方にも長所、短所があります。情熱に従えば、働いている時間の大部分を、心から楽しいと思えることをして過ごすことができます。ですが、そうした仕事はたいてい、平均賃金が低いのが現実です(もちろん、一流になれば一流の報酬が手に入りますが)。

一方、収入や適性でキャリアを選べば、高収入も望めて、自分のスキルや能力に合ったキャリアパスを歩むことができます。でも、仕事を心から楽しいと思うことはないかもしれません。

私は、この2つのキャリアパスの間で大きく揺れ動く人生を歩んできました。

大学に入るとき、ずっと好きだった科目を専攻に選びました。生物学です。高校時代、数学、国語、生物の授業をとても楽しく感じていました。そして、生物学の学位をとれば、楽しい仕事につけるだろうと思いました。収入面についてはあまり考えていませんでした。

大学で学ぶうち、すばらしいメンターに出会い、生物学と同時にコンピューターサイエンスを学ぶことを勧められました。数学が好きな私にはぴったりでした。

コンピューターサイエンスを学んだことが、社会人になって最初に就いた仕事に直結しました。とても楽しい仕事で、可能であればば今でもその仕事を続けていたと思います。仕事内容は、同じ分野の研究者たちがデータを共有できるように、研究データを整理するというものでした。とても面白い仕事で、大きなやりがいを感じました。報酬はそこそこといった感じでしたが、仕事が楽しかったので気になりませんでした。毎日、興味深い問題の解決に取り組み、また、自分のした仕事が、ほかの誰かが興味深い問題を解決する助けになっていると感じることができました。

残念ながら、その仕事は期限つきの契約でしたが、事前にわかっていたので、次のキャリアステップのために、必要なスキルや資格を習得すべく、準備をすることができました。その作業自体はあまり楽しくありませんでしたが、将来も好きな仕事を続けるんだというビジョンを持って取り組みました。

そして、その契約が終わると、報酬がかなり良い、長期契約の仕事に就くことができました。表面的には、それまでやってきた仕事と同じように見えました。めでたしめでたし? ところが、ふたを開けてみると、お役所仕事やメンテナンス作業の連続で、無駄に見える仕事も多く、興味深い問題を解くような仕事はほとんどありませんでした。

つまり、好きな仕事から、嫌いな仕事に移ってしまったというわけです。

私はしばらくすると、もう1つ別の情熱に自分の自由時間を捧げるようになりました。書くことです。高校のとき国語が好きだった私は、自由になる時間を使って書くことに没頭しました。ブログをいくつかスタートしました。小説の草稿もいくつか書きました。その1つは『Rings of Saturn(土星の環)』というタイトルで、出版社に送ったところ、まずまずの反応をもらいました。(人類が太陽系の資源開発に乗り出した近未来を舞台に、すごい能力をもった2人の兄弟が活躍する物語)

それでどうなった? ブログの1つがうまくいき、現在の『The Simple Dollar』につながりました。The Simple Dollarは、我が家の財政を立て直そうとする体験談を書くことから始まりました。いつしか、月に100万人が訪れるウェブサイトへと成長し、とても余暇の時間で管理できる規模ではなくなってしまいました。

そこで、このブログにフルタイムで取り組むことにしました。しばらくすると、サイトとサーバーの管理者を雇って、自分は好きなこと(書くこと)に集中できるようにしました。その後、それでも手に余るようになり、サイトの所有権を売却し、いよいよ自分は書くことだけに専念することにしました。

私は現在、The Simple Dollarに記事を書いて、「好きな仕事をしている」と言ってもいいでしょう。ほぼ毎日書いていて、心から楽しんでいます。読者との交流もとても楽しいです。Facebookでたくさんのメッセージが送られてきて、毎日のように、すばらしい質問やアイデアを受け取っています。自宅で仕事をする自由があり、子どもたちが学校から帰る時間に家にいてやれるのもうれしいことです。暮らしぶりにも満足しています(どちらかというと私は質素なのでしょう)。夢に描いていたとおり(作家の集まりにでかけたり、小説を書いたりしている)とはいきませんが、好きなことを仕事にしていることには変わりありません。

両方を経験した人間として、好きなことを仕事にするのは、収入や適性を基準に仕事を選ぶのと同じくらい、メリットがあることだと断言します。どちらの考え方にも、たくさんの誤解や幻想が含まれています。ですので、以下に、私が経験から見出した7つの真実を紹介して、あなたが情熱かお金かどちらを追いかけるかを考えるお役に立てばと思っています。

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最終更新:9月21日(水)23時10分

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