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「おいしい部分が少ないマシン」のF1ホンダ。 鈴鹿に向けて秘策は?

webスポルティーバ 9/21(水) 14:50配信

 煌(きら)びやかなシンガポールの街並みを縫うように走る「マリーナベイ市街地サーキット」には、ストレートと呼べるような場所はほとんどない。常に要求されるステアリング操作と、コンクリートウォールに囲まれた狭くて曲がりくねったレイアウト、そして夜になっても肌にまとわりつくような暑さと湿度――。シンガポールGPはシーズンでもっともタフなレースだと、F1ドライバーたちは声を揃える。

【写真】シンガポールの街並みを縫うように走る「マリーナベイ市街地サーキット」

 そんなサーキットだからこそ、マクラーレン・ホンダにはチャンスがある。夏休み明けのベルギー、イタリアの高速連戦では苦戦を強いられたが、全開率の低いシンガポールではパワーユニットの非力さが足枷(あしかせ)にならないからだ。少なくとも、そう思われていた。

 だが、金曜日に走り始めてみると、ホンダのドライバーたちの表情は曇った。

「まったくグリップ感がないんだ。アンダーステアとかオーバーステアという問題ではなく、全体的にグリップがプアなんだ。正直言って、ここに来る前の期待値が高すぎたと思う」(フェルナンド・アロンソ)

「ライバルになるだろうと思われるチームと比べると、僕らは全体的にものすごくグリップが低くて苦しんでいる。僕らがベストを引き出し切れていないのも事実だけど、思っていたよりもずっと厳しい週末になりそうだ」(ジェンソン・バトン)

 土曜になってもその症状は変わらなかったが、予選ではラバーが乗った路面のグリップ向上に助けられてマシンのフィーリングがよくなり、アロンソがQ3進出を果たした。バトンもコンクリートウォールにこすって左リアタイヤを壊していなければ、Q3に進めていたかもしれない。

「同じサーキットだとは信じられないほど、グリップレベルがさっきとは全然違うよ!」(アロンソ)

 しかし、1年落ちのパワーユニットを積むトロロッソ勢に完敗してしまったのは、明らかにマシンの性能不足を表していた。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は語る。

「トロロッソ勢に前に行かれてしまったのは、ショックでした。ドライバーたちはFP-3(フリー走行3回目)までずっと不満を訴えていて、『予選になって、初めてクルマに満足した』って言っていましたからね。でも実は、セットアップはそんなに変えていないし、正直、何が理由でよくなったのかはよくわかっていないんです(苦笑)」

 決勝では、12番グリッドのバトンはスタート直後にニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア)のクラッシュを避けようとして他車に追突し、フロントウイングやフロアに大きなダメージを負って最後尾まで後退した。大きくダウンフォースを失ったマシンで43周目まで粘り強く走ったものの、「僕のレースは1周目で終わったようなものだった」という状況で、最後はダメージに起因するブレーキ不調でリタイアを余儀なくされた。

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最終更新:9/21(水) 15:59

webスポルティーバ

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