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ゴールドマン・サックス、ブラックストーンが投資した「未来の家」

Forbes JAPAN 9月21日(水)10時0分配信

5年後、10年後の私たちは、どんな家で、どんな暮らしをしているのか?
ゴールドマン・サックス、ブラックストーンが投資した「未来の家」を見てみよう。



「そろそろ寝ることにするよ」

あなたがこう呟くと、自宅のドアに鍵がかかり、セキュリティ・システムが作動する。空調は睡眠に適した運転に切り替わり、照明がゆっくりと落ちていく。急に照明が消えたら、あなたがベッドに辿り着けないからだ。

誰かがあなたの家を訪ねてきたとする。来訪者が正面玄関に近づくと、あなたのスマートフォンに相手の顔写真が届く。玄関のドアの施錠や空調の管理、ガレージのドアの開け閉めも、ソファから動く必要はない。スマートフォン1台で操作できる。家につけたセンサーが様々な動きを検知するから、家中を歩き回らなくても窓の閉め忘れがないか確認できるし、外出先からも、カメラを通して自宅の様子を見ることが可能だ。

家をインターネットにつなぐ「スマート・ハウス」が、ここ数年、注目を集めてきた。家庭の高速インターネットにつなげられる安価なセンサーが普及したことで、スマート・ホームは誇大広告ではなく、実現可能な未来として、新たなビジネスチャンスを生んでいる。

ソルトレイクシティから南へ80キロ離れたユタ州プロボ。ここに、ヴィヴィント・スマート・ホームの本社がある。 同社が展開するスマート・ホームは、家の空調や照明、ドアの鍵、インターフォン、ガレージのシャッター、カメラ、センサーなどをインターネットでつなぐサービスだ。すでに100万世帯以上に導入されている。

ヴィヴィントは当初、どこにでもあるようなホーム・セキュリティの企業だった。だが現在は、世界最大のスマート・ホーム企業に成長。IoT分野で消費者からの高い認知度を誇る。

同社が扱うサービスは非常にハイテクだが、オペレーションは実にローテクだ。北米とカナダを合わせて約2,500人いる営業担当者が、見込み客の家を精力的に回り、「スマート・ホーム」を売り歩く。
--{注目の新たなビジネスモデル}--
ただし、ヴィヴィントのユニークさは、この営業軍団だけではない。そのビジネスモデルも成功の一つの要因で、シリコンバレーの多くのスタートアップとは好対照をなしている。

シリコンバレーでは、最先端のガジェットの開発者たちが、その性能やプロダクトデザインでしのぎを削る。だが、スマート・ホームを実現するために、こうしたデバイスを売ろうとすると、消費者に敬遠されてしまう。一つひとつのガジェットが高額になりがちだからだ。そこでヴィヴィントは、顧客の家にまとめて設備を導入し、月々の利用料を受け取るモデルを採用した。

各家庭に導入するガジェット類のコストは、平均1,500ドル相当。自社開発の製品もあるが、アマゾンやネストといった他社製品も組み合わせて提供する。顧客は利用料として、年間480~960ドルを支払う。
こうしたモデルは投資家からも注目されている。

2005年にはゴールドマン・サックスなどがヴィヴィントの株式の50%を取得、12年にはブラックストーングループに20億ドルで買収された。最近では、ペイパル創業者で投資家のピーター・ティールなどが、1億ドルの資金を出している。

調査会社のフォレスターは、米国内の家庭の5%がスマート・ホーム関連のガジェットを所有しており、21年にはこの割合が16%まで伸びると予測している。アルファベット、アマゾン、アップル、サムスンといった世界の名だたるテック企業も今、スマート・ホーム分野で大きな賭けに出ている。

ただし、すべてがうまくいっているわけではない。注目度は高いものの、ヴィヴィントのビジネスもまだ黒字化に遠いのが現状。15年の実績では、6億5,000万ドルの売り上げに対し、営業損失が7億6,000万ドルとなっている。

だが、同社の共同創業者でCEOのトッド・ペダーセンは期待を込める。

「今後の消費者の生活の変化を見れば、とても有望なビジネスなのです」

Forbes JAPAN 編集部

最終更新:9月21日(水)10時0分

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