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なぜか音楽をレイプしてしまう東大生

JBpress 9月21日(水)6時15分配信

 前回、日本の高等教育がいかに戦略を欠いているかという話の途中で、私自身の職掌から音楽の事例を引いたところ、「アマチュア合唱人必読」という、想像を超えるレスポンスをいただきました。

 そこで、本論からすれば「枝葉」ですが、そちらの話題、音程を合わせるという私には本道のトピックスを今回の末尾でご紹介いたしましょう。

 器楽での合奏と声楽の合奏、音程を合わせるという1つをとっても、本質的な違いは多い。器楽と言っても弦と管と打楽器、管と言っても木管と金管、全部根本から違うことがたくさんあります。

 これらは先人の知恵によって伝承されているものですが、とりわけ日本では明治以降の性急な欧化政策の中で、うわすべった受容に終始したため、本質が共有されていません・・・。

 と以前30代頃には書いていましたが、40歳を過ぎて欧州で音楽家の指導をするようになってみて、実のところどこでも分かってないということがよく分かりました(苦笑)。

 以下は値引きのない専門の話題です。日本語で公刊しても書籍として採算が取れる見通しがありませんので、欧語での書籍を準備していますが、そのご紹介ということで・・・。

■ 頭は使ってこそ生きるもの

 内容に入る前に一言。以前は一切、アマチュアを教えるということはしなかったのですが、50歳前になってから、東大にいますので東大生にも音楽を教えてみるようにしたのですが・・・。

 東大では音楽を道楽でやっている人が少なくありません。驚嘆するようなケースもいろいろ見てきました。性根が根本的に間違っているケースがあります。が、私は何も言いません。頑張ってね、それでおしまいにします。

 ただ、趣味として楽しむのは素晴らしいことです。しかしそれを気晴らしの発散や、我流の引き倒しで終始するとすれば、音楽をレイプしているようなもので、率直に感心できません。専門であれば凄まじく怒られることでしょう。そこまでエネルギーを使うことはしません。

 でも東大生には頭がくっついてるはずで、まともに使えばもう少しは何とかなるだろうところを、全く逆方向に、例えば「音を聴かない」という方向 あるいは「音を合わせない」方向など 最悪の筋に勘違いしてそれに固執している場合があります。

 あるいはそれが良いものだと思い込んでいたりもする。その結果、どうしようもない音を出して喜んでいたりする。

 こういうものを正直、教えるとか、そもそも耳にしたいと私は思わないのです。

 真摯に音に向き合う人であれば、技術の巧拙無関係に、ご指導やぶさかでないのですが・・・。

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最終更新:9月21日(水)6時15分

JBpress

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