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これが中韓友好の象徴!?「威海」のコリアタウンで見た驚きの現実 近藤大介の威海レポート【前編】

現代ビジネス 9月21日(水)7時51分配信

 「北京や上海ばかりを見ていても、中国は分からない」――北京で中国人から、よくこう言われるが、本当にその通りだ。

 そこで私は毎年、最低一回は、中国の地方を見て歩くことにしている。今夏は山東省の青島と威海を訪れた。先週の青島に続き、今週は威海レポートをお届けしよう。

近藤大介の青島レポートはこちら(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49693)

行けども行けども人の棲家

 朝6時に、青島のホテルをチェックアウトし、山東半島の北東端に位置する威海へ向かう。青島からは約300㎞の距離だが、「易到」で予約しておいた車に乗って膠州北駅まで行き、そこから「動車」(特急)に乗ることにした。

 すでに陽は昇っていて、青島湾に朝靄がかかっていた。閑散とした街を、海岸とは逆の方向に北上していった。

 青島は、全国で19位にあたる人口900万の港湾都市だが、近年は北側の山間部が、どんどん開拓されて高層マンション群に変わっている。そのため青銀高速を、行けども行けども人の棲家。「青島は巨大な都市なんですねえ」と運転手の青年に言ったら、照れるように答えた。

 「でも山の上はすべて、軍が占領してるんですよ」

 半時間ほど走って、左手に青島流亭空港を仰ぎ見ながら北西に方向転換したあたりで、ようやくマンション群が潰え、代わって一面の高粱とトウモロコシ畑になった。時折、高速道路脇に紅色の巨大な看板が目につき、「両学一做」(リャンシュエイーツオ)と記されている。

 「両学一做」は、習近平主席が4月下旬に安徽省を視察して以降、中国全土で始まったキャンペーンのスローガンで、「共産党の党章と習近平主席の重要講話を学習し、共産党員として正しい行いをする」という意味だ。現在、日本の人口の3分の2を超える8800万共産党員が、毎日必死になって、ノートに「抄党章抄講話」(党章と講話の書き写し)を課されている。

 これは基本月給の2%を党費として納める末端の共産党員たちには不評だが、3%を党費として納める幹部党員たちには、ある程度受け入れられているように見える。ある幹部党員は、私にこう述べた。

 「この国には規律がなさすぎるので、強制的にこのようなキャンペーンをやらないと、中国人はまとまらないんです。特に若者たちは、毎日スマホばかりいじっていて、愛国心が薄れていて困ります」

 「両学一做」は、13億7000万の全国民に対する運動ではなくて、国民のわずか6.4%に過ぎない共産党員に対する運動である。だが中国は憲法の前文でも、「中国共産党の指導」を強調しているから、共産党の教え=国家の教えという解釈なのだろう。

 車は、青銀高速道路と瀋海高速道路が交差する馬店立交インターチェンジで、高速道路を降りた。そして、「莫言(ノーベル賞作家)の旧居まで10㎞」と表示のある、よく舗装された農道をしばらく進み、膠州北駅に着いた。

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最終更新:9月21日(水)7時51分

現代ビジネス

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