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丸の内キャピタル社長に聞く「三菱系」投資ファンドの強みとは

ダイヤモンド・オンライン 9月21日(水)6時0分配信

 後継者不足に悩む企業の事業承継や成熟・衰退企業の事業構造転換が、日本の喫緊の課題といわれるようになって久しいが、その解決策の一つとして今、多くの投資ファンドが設立されている。その運営会社の1社である丸の内キャピタルのトップに現状を聞いた。

 ──一口にファンドといっても多種多様です。その中で、丸の内キャピタルはプライベートエクイティ(PE)ファンドですが、その特徴についてお聞かせください。

 投資家から資金を集め、投資先企業を発掘し、その成長可能性を引き出して企業価値を高めます。

 企業は事業構造と経営体制が整っていないとポテンシャルを発揮できませんが、最近は競争環境の急速な変化に対応する必要に迫られています。ただ、それらの変更は大きなリスクもはらんでいます。また、通常の企業活動とは別物なので、遂行するための知見を社内で蓄積することも難しいのです。

 PEファンドの仕事は、そうした企業を支えるためのリスクマネーと、事業や経営の大転換を実現するための知見の提供です。

 ──その中で、丸の内キャピタルの差別化要因とは何ですか。

 投資の意思決定に関する独立性を持ちながら、株主である三菱商事と三菱東京UFJ銀行のバックアップが得られるという、いわば「いいとこ取り」という点です。

 2社の信用力やネットワークを活用すれば、日本では難しい投資案件の発掘もしやすく、多様なステイクホルダー(利害関係者)が絡む投資案件も進めやすい。

 また、三菱商事の物流機能や海外拠点網という、通常のファンドが持っていない機能を投資先企業に提供できます。特に海外展開に課題を持つ投資先との相性がいい、大きな差別化要因です。

 ──「ファンド=ハゲタカ」という固定観念も薄れ、ファンドに対する企業側の抵抗感もなくなってきたのではないでしょうか。

 昔のイメージとはまったく違いますね。最近では、地方の同族経営の企業と議論するような機会も得られるようになってきました。

 しかし、まだ日本でのPEファンドの存在感は著しく弱いです。国内総生産(GDP)に対するPEファンドの投資額を比べると、先進国の中で最低レベルです。

 今、企業の新陳代謝や事業承継、事業を切り出すカーブアウトなどが重要な課題となっていますが、もっと早く俎上に載せるべきだったものを10年以上も積み残してきたように思います。事業構造の転換では、時間をかけるだけ再編に絡めなくなるなど、打ち手が限定されて不利になります。

 日本でもPEファンドがもっと活躍し、事業構造の変革や経営体制の刷新などがスピーディーに行われることで、日本企業全体の競争力が高まることが望ましいと考えています。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)

週刊ダイヤモンド編集部

最終更新:9月21日(水)6時0分

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