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鶏むね肉はヘルシー&低価格の最強食材だ

東洋経済オンライン 9月21日(水)8時0分配信

 クックパッドで検索数が年々高まっている注目すべき食材がある。それが「鶏むね肉」だ。年間検索数の推移を見ると、2011年からこの5年で約2.2倍に増加している。2016年上半期の集計ではついに食材別の検索数ランキングでトップ10入りを果たした。ちなみにそのトップ10には豚肉、卵、鶏肉のタンパク源の種類が数多くランクインしているが、食材の「部位」としては鶏むね肉のみが指名されているのが特徴である。

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 検索数に比例して、同じく急増しているのがレシピ投稿数だ。クックパッドの鶏むね肉のレシピは今や5万品を超えており、炒める、揚げるなどのさまざまな調理法で、おかずやお弁当などさまざまなシーンに登場していることがうかがえる。なぜこれほどまでに鶏むね肉は人気が高いのだろうか。

■老若男女から愛される理由

 ①高タンパク・低脂肪でヘルシー

 牛豚鶏肉の部位別にタンパク質、脂質を見ると、鶏むね肉100g中タンパク質は22.3gと高く、脂質は1.5gとかなり低い。たとえば豚ロース肉の場合はタンパク質21.1g、脂質は11.9gであり、肉類の中では極めてヘルシーなタンパク源だと言える(同様に高タンパク低脂肪のタンパク源は、豚ヒレと鶏ささみがあげられる)。タンパク質は筋肉や血液、皮膚などの人間の身体をつくる主成分。しかも脂肪分が低いということは、体型を気にしてワークアウトやダイエットしている人に特におすすめの食材なのだ。

 ②低価格である

 さらに注目したいのが価格だ。国産鶏もも肉が100gあたり97円程度であるのに対し、国産鶏むね肉は100gあたり57円程度と圧倒的に価格が低い。高タンパク低脂肪で栄養価としては鶏むね肉と同等の国産ささみも100gあたり97円程度であることから、「低価格な高タンパク源」として鶏むね肉は優秀すぎる食材といっても過言ではないだろう。

栄養価の高い庶民の味方

スーパーの特売情報を配信する株式会社トクバイの代表取締役・沖本裕一郎氏は「2014年以降、牛や豚肉はブランドにより価格差が生まれ、価格幅が広がっている。逆に鶏むね肉は100g40~60円前後と牛や豚、鶏もも肉に比べて価格幅が安定している。さらに直近1年では100g30円台などのこれまで以上に低価格な商品も増えている」と指摘する。そういった意味でも、栄養価の高い庶民の味方として鶏むね肉が支持されているのであろう。 低価格で高タンパク・低脂肪でヘルシーな鶏むね肉。これらの条件から体型を気にする男女、家計をやりくりする主婦、食べ応えを求める男性や育ち盛りの子どもなど、幅広い層に好まれる最強食材と言えそうだ。

 栄養面でも価格面でもパーフェクトな食材「鶏むね肉」だが、唯一の難点がある。それが食感だ。低脂肪ゆえ、脂が少なく水分も抜けやすいためパサパサとした食感になりがちなのだ。価格は安いが肉本来のジューシーさに欠けるため「家族から不評」と、実は悩みの声も多い。

 クックパッドでも、鶏むね肉という言葉と一緒に検索されているのは、唐揚げなどの人気メニュー名を抑え「やわらかい」というキーワードである。作り手たちは鶏むね肉のパサつきを抑え、いかにやわらかい食感に仕上げるか頭を抱えていたのである。

このニーズに応えるべくクックパッド編集部は、鶏むね肉の食感を柔らかくする下ごしらえに関する記事を配信した。すると驚くべきことに、平均の10倍を超えるアクセスを記録し、年間の記事アクセスベスト10に入るほどの大ヒット記事となった。調理以前の下ごしらえを取りあげた記事で大ヒットを生んだ食材は鶏むね肉以外に前例はなく、多くの人の悩みに響いたことがうかがえた。

■オススメの下ごしらえ攻略法

 では一体どういう方法で料理の作り手たちは鶏むね肉の食感を攻略しているのだろうか。投稿されたクックパッドのレシピをのぞいてみると、その下ごしらえの幅広さには目を見張るものがあった。いくつか紹介したい。

切り方で柔らかく レシピ 調理や保存前に繊維を断ち切るように包丁を入れることで食感を変化させる方法。実際に唐揚げや蒸し鶏を作ってみたが、食感の違いは明らかだった。

 クックパッドニュースの記事

水や塩砂糖水に漬ける レシピ1 レシピ2 家にある簡単な材料で実践できるのがこの方法。調理前の鶏むね肉を水や、塩と砂糖を溶かした水に漬けておくだけで柔らかくなるというのだ。宮城大学食産業学部の石川准教授は「水に漬け込むことで、肉内部に水分を蓄える保水力が高まり、その保水力が食感に影響する」と分析する。

 さらに塩を加えた水であれば塩が筋肉線維の構造を破壊し、肉内部に浸透、タンパク質と作用し、より細胞に水が保持されやすくなると言う。通常なら加熱により20%程度の水分が失われるところだが、事前に水分を保持した肉は水分を保ったまま焼き上がるため、加熱してもジューシーに仕上がるメカニズムになっているのだ。塩水だけだと肉自体が塩辛くなってしまうため、塩水に砂糖や果汁などの甘さと酸味を加えることで、塩辛さを抑えながら肉の食感を柔らかくすることが可能になるというわけである。

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最終更新:9月21日(水)8時0分

東洋経済オンライン

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