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貧困・病気・孤独…定年後の3つの不安解消、50歳を過ぎたら準備を始めよう

nikkei BPnet 9月21日(水)9時9分配信

 皆さんは定年後、今までと同じように働いていると思いますか? それとも、テレビを観ながら居間でゴロゴロする生活をしていると思いますか? どちらが幸せだと思いますか? 「いい加減、会社勤めは疲れたし、働かずにのんびりしたい」という方もいらっしゃるでしょう。
 でも、私の小さな人間関係の中で、という前提条件で言わせていただくと、定年後も何らかの形で働いている人の方が、幸せそうに見えます。そして、そういう人たちに共通しているのは、やむを得ず働いているのではなく、積極的に定年後も働く方を選んでいることです。もっと言えば、定年後も楽しそうに働いている人は、定年を迎える前から、その準備をしています。
 どうしたら、楽しいセカンドキャリアを作れるのでしょうか。御年64歳。経済コラムニストとして執筆活動、講演活動に勤しんでいる大江英樹さんに話を聞いてみましょう。(取材・文/鈴木雅光)

 「40代から50代の人は、ほとんどが自分の老後に対して、不安を抱いていますね。だから僕はこう言うんですよ。老後の不安を解消したいなら、老後を無くしてしまえばいいってね」

 確かに!もう断然、納得なのですが、老後を無くすとは、つまり死ぬまで現役で働けろと?

 「老後の不安って、大体次の3つに集約されます。それは貧困、病気、孤独なんですね。しかも、貧困と病気はイメージできても、孤独は実感できない人が多い。それは今、現役の会社員で、同僚や上司、部下に囲まれた生活をしていますから、当たり前のことです。でも、定年になってごらんなさい。突然、誰もいなくなる。しかもビジネス戦士として働いていた男性は、何十年も自分の住んでいる地域のコミュニティに関わっていませんから、仲間に入りにくい。最後の拠り所の妻は、友達と旅行に行ってしまう。孤独でしょ。だから、生涯現役で働くのです。そうすれば、3つの不安からは解放されます」

 なるほど。働き続ければお金の問題は解消されるし、健康も促進されるし、一緒に働く仲間がいるから孤独にもならないというわけですね。ところで、今はいろいろなメディアで活躍している大江さんですが、以前は大手証券会社に勤める普通の会社員でした。定年前、自分のセカンドキャリアのことをどう考えていたのでしょうか。

 「54歳までは、定年になったら一切仕事はしたくないって思っていましたよ。映画やコンサート、旅行など、なかなか時間が無くてできなかったことをしようと思っていたのですが、57歳くらいになった時、ふと思ったのです。このまま“サンデー毎日”(毎日が日曜日)になったら、本当に楽しいのかいなってね。だから、会社の再雇用制度を利用して、65歳まで働こうと思ったのですが、会社の先輩が再雇用で働くのを見て、考えが変わりました。テンションが大きく下がるのを目の当たりにしたのです。会社員の働くモチベーションは給与ではなく、自分の責任と権限が広がることにあるのですが、再雇用で平社員になると、責任と権限があいまいになります。結果、働くモチベーションが大きく落ちてしまうのです。それに気付いて、再雇用で働くのは止めようと考えなおしたのが、定年になる半年前でした。結局、後任への引継ぎなどいろいろあって、本当に辞めたのは定年から半年後でしたが、再雇用の道を選ばなくて良かったと思いますね」

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最終更新:9月21日(水)9時9分

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