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“大幅値引き”を売りにできない今年の新iPhone商戦

日経トレンディネット 9月21日(水)16時45分配信

 iPhone 7/7 Plusが発表され、大手キャリアが相次いで新iPhone商戦に向けた販売施策を打ち出している。総務省や公正取引委員会など行政が端末の大幅値引きに対して厳しい目を光らせる中、各キャリアはどのような施策でiPhone 7/7 Plusの販売促進を図り、他社との競争を勝ち抜こうとしているのだろうか。

【関連画像】3キャリアのiPhone 7(32GB)の料金比較

●大幅な割引施策は難しい

 2016年9月7日(現地時間)、「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」が発表され、9月16日に発売された。今年もiPhoneを取り扱っている大手3キャリアによる激しい販売競争が繰り広げられている。

 ただし今年は、その様相が大きく変化するのではないかと言われていた。理由は、総務省が「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を打ち出し、“実質0円”などスマートフォンを大幅に値引きして販売する大手キャリアの販売手法を事実上認めなくなったからだ。

 加えて、8月2日には公正取引委員会が「携帯電話市場における競争政策上の課題について」という報告書を公表。やはり大手キャリアの販売手法を問題視しているほか、端末メーカーに対しても中古端末販売に関して厳しく指摘している。そのため、今年のiPhone商戦では、大幅な割引施策は難しいと考えられていたのだ。

 しかしながら、日本のiPhone人気は非常に高く、キャリアにとって重要な商材であることに変わりはない。それゆえ今年も、3キャリアによるさまざまな施策やキャンペーン合戦が繰り広げられている。

 では、今年のiPhone商戦はどのようなものなのだろうか。

実は昨年より安くなった新iPhoneの価格

 まずは最も注目されたであろう、iPhone 7/7 Plusの価格だ。各キャリアとも、予約を開始した9月9日には、iPhone 7/7 Plusの価格を公表した。そこで、最も安価なiPhone 7の32GBモデルに関する各キャリアの販売時点の価格を表にまとめてみた。モデルによってやや違いはあるものの、全体的な価格の傾向は共通していることが分かる。

 まず、NTTドコモの新規・番号ポータビリティ(MNP)と機種変更時の割引額に差がなく、他社より高めに設定されていることが分かる。ただし、MNPで乗り換えたユーザーに対しては、最大1年間、月額918円が値引かれるキャンペーン「ドコモにチェンジ割」が適用されることから、表に提示された額よりも安くなる。

 一方、auとソフトバンクは、割引後の価格がNTTドコモより安く設定されている。また新規・MNPの割引額がやや多く、月額にすると機種変更と比べ2倍弱の料金差があることから、MNPで乗り換えた方が有利であるという点は共通している。

 もっとも、この価格差に対して、NTTドコモが追随する動きはなく、発表後に細かな変更がされることもなかった。下取り増額キャンペーンで争いを繰り広げる様子も見られないことから、端末価格の競争はかつてと比べ、かなり沈静化しているといえそうだ。

 ちなみに、今回の価格は、昨年のiPhone 6s/6s Plusの商戦時と比べてどう変化しているのだろうか。同じく最も安価なiPhone 6sの16GBモデルに関して、発売された当初の料金設定を確認してみよう。

 ここからは、割引後の価格はNTTドコモはiPhone 7の32GBモデルより安価に設定されているが、au、ソフトバンクは逆に高くなっていることが分かる。また支払総額を見ると、そもそもiPhone 7の32GBモデルより5000~1万円程度高額な設定となっていたことも分かる。

 なぜ今年のiPhone 7は、昨年のiPhone 6sよりも値下がりしたのだろうか。正式な発表はないため、あくまで推測だが、円高の影響を受けているものと考えられる。昨年9月頃は1ドルが120円台であったが、現在は1ドル100円台と、大幅に円高が進んでいる。そうした市況が反映された結果、iPhone 7が昨年と比べ安くなったといえそうだ。

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最終更新:9月21日(水)16時45分

日経トレンディネット