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『君の名は。』大ヒットで新海誠も“ポスト宮崎”!? 細田、庵野……“ポスト宮崎”といわれたクリエーターたち

おたぽる 9/22(木) 21:00配信

 公開4週目の週末(9月17、18日)の興行成績は動員約80万人、興収約10億7,600万円。19日までの累計動員は約689万人、興収は約91億円と、興行収入100億円も視野に入れる大ヒットとなっている、新海誠の『君の名は。』。こんな大ヒット劇場アニメが登場すると、必ず浮かび上がってくるキャッチコピーがある。“ポスト宮崎駿”である。

「ポスト宮崎駿」で軽くググってみただけでも、『君の名は。』公開後、各映画サイトやスポーツ紙、夕刊紙、経済系ニュースサイトなどが立て続けに、“ポスト宮崎駿”という見出しのもと、アニメに疎い人向けに新海の作風や受賞歴、そして『君の名は。』の魅力を紹介するという記事を掲載・配信している。

 普段は大してアニメを取り上げないのに、とか、新海誠は新海誠である――と、一部の新海誠監督作およびアニメファンがそういった風潮、取り上げ方に怒っていたりもする。その気持ちもよくわかるのだが、何年に一度かの割合で100億の大台を突破できるようなヒット作、かつ海外の著名な映画祭で受賞できる作品をポコポコ生み出すようなクリエーターの誕生を、それだけ切実に各分野の多様な人々が待ち望んでいるのだろう。というわけで、過去“ポスト宮崎駿”と、大雑把に紹介されたクリエーターを紹介してみたい。

 まず、宮崎駿が長編の制作から引退を表明した2013年9月から約半年後の14年2月、「gooランキング」で「ポスト宮崎駿だと思うアニメ監督ランキング」というアンケートランキング企画が行われている。ちょっと古いがランキングを引用すると、1位:宮崎吾朗、2位:庵野秀明、3位:細田守、4位:押井守、5位:大友克洋(6位に新海誠も)。

『ゲド戦記』(06年)や『コクリコ坂から』(11年)、TVアニメ『山賊の娘ローニャ』を手掛け、宮崎駿の長男としても知られる宮崎吾郎。“血縁”ということ、また期待が大きすぎたこともあってか何かとジブリファンからは叩かれがちだが、『コクリコ坂』は11年度興行収入邦画第1位(約44億6,000万円)と健闘している。次回作は今のところ明言されていないようだが、果たしてどんな作品を見せてくれるのだろうか。SNSなどもやっていないようで、なかなか声が聞こえてこないが、その動向が気になるところ。

 なお、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが「日本アニメの後継者」と名言するのは、その宮崎吾朗ではなく、『エヴァンゲリオン』シリーズを手掛け、現在『シン・ゴジラ』が大ヒット中の庵野秀明。

 アニメーターとして『風の谷のナウシカ』に参加、巨神兵登場シーンを手掛けたほか、宮崎駿最後の長編『風立ちぬ』(13年)では、なぜか主人公・堀越二郎役で主演。何かと宮崎駿と縁が深く、『エヴァ』を大ヒット作に導いた手腕からも鈴木Pの発言にもうなずけるし、ランキング上位にくるのも納得。納得なのだが、気がかりなのは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの行方。果たしていつ、どんな結末をむかえるのだろう……。

 そして『時をかける少女』(06年)のヒット以降、細田守も何かと“ポスト宮崎”と、一般メディアから言われがちなクリエーターだ。『サマーウォーズ』(09年)、『おおかみこどもの雨と雪』(12年)、『バケモノの子』(15年)と、製作には日本テレビ放送網、読売テレビが名を連ね、東宝配給のもと全国で大規模に上映、さらに主演キャストは声優だけではなく俳優を起用するなどというあたりが、“ポスト宮崎”の呼び声が高くなった一因だろう。

 現在“ポスト宮崎”についてのネット上の意見を見てみると、新海誠、細田守、庵野秀明の名が多く挙がっている。だが、スレッドや議論の行方を追いかけていくと、大抵の場合、「個々の監督の質が違う」「宮崎駿の存在は大きすぎる」「軍師・鈴木Pの存在も大きい」と、アニメファンたちの意見は冷静なものがほとんどだったりする。

“ポスト宮崎”と括られてしまうのも、ヒット作を生み出した証。アニメファンたちは意外と冷静に個々の特徴を理解しているようなので、名前が上がったクリエーターたちの、“ポスト宮崎”というキャッチに戸惑わされることがない活躍と、今後さらに次から次へと“ポスト宮崎”と括られてしまうクリエーターが誕生することに期待したい。

最終更新:9/22(木) 21:00

おたぽる