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ロッテの件、韓国世論のご都合主義に辟易 --- 新田 哲史

アゴラ 9月22日(木)7時11分配信

どうも新田です。韓国検察当局に昨日、事情聴取を受けた重光昭夫氏(ロッテHD副会長&韓国ロッテ会長)ですが、本日の未明になっても消息に関する続報が出てなかったので、ひょっとしたらタイホーかと思ったのですが、身柄は一旦解放されて、グダグダな展開となりました。当局も散々盛り上げておいて、なんですかこれは。

“韓国検察 ロッテ会長を事情聴取 裏金疑惑(NHKニュース)(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160921/k10010701231000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001)
韓国の大手財閥「ロッテグループ」が巨額の裏金をつくっていたとされる疑惑についてソウル中央地方検察庁は、20日、重光昭夫会長に出頭を求め、事情を聴きました。重光会長はおよそ18時間後の21日午前4時すぎに事情聴取を終え、「捜査には誠実に答えた」と述べたあと帰宅しました。”

待ちきれずに寝てしまいましたが、終わったのが、ご、午前4時って。検察も根掘り葉掘り聞いて、否認する重光氏との取調室での攻防が激しくなって、そんな時間になったのだろうとは思いつつも、産経の支局長に因縁を付けて大統領への名誉毀損で無理やり立件しようとした彼の国の捜査当局の人権蹂躙ぶりは、今回も平常通りの運行だったようです。

検察当局はどこまで迫れたのか

朝日も読売も、そして朝鮮日報の日本語版も通り一遍のことしか書いてないんですが、非常によく取材していたのが日経新聞。さすが経済紙ですね。万一の逮捕があった場合、ロッテグループへの影響がどうなるかの懸念が実感を伴っていて取材の本気度が違います。今回、昭夫氏は背任罪等の疑いが持たれているわけですが、過熱気味の報道の裏で、新聞記者時代から日本の経済事件での裁判をヲチしてきた経験から、有罪に持ち込むには立件がビミョ~なものも少なくなく、本当に韓国当局が詰め切れているのやらと疑問に感じていたところ、日経の加藤特派員は見事に応えております。

“韓国ロッテ裏金疑惑、捜査大詰め 会長を聴取(日本経済新聞)(http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM20H8O_Q6A920C1FF1000/)
韓国は日本より背任罪の成立要件が低く、歴史的に自己保身などの目的がなくても適用されてきた。財閥オーナーもたびたび起訴されてきたが、無罪になる可能性が比較的高い。大法院(最高裁)によると、13年に刑法上の横領・背任罪の無罪判決率は5.4%で、全体の刑法犯罪上の無罪判決率1.7%よりも高い。特に特定経済犯罪加重処罰法上の背任罪は無罪判決率が10.8%に達する。”

ただ、それでも記事では、「仮に昭夫氏が起訴されれば、経営への悪影響が長期化する可能性がある」と結んでおりまして、今週で区切りを迎えるとされる捜査の行方については予断を許さないところです。

一方で、ひょっとしたら立件するにしても、身柄を取らずに在宅起訴というナマクラなことをやりかねないと感じるのは、韓国内の世論がここに来て、お家芸の反日ムードが出てきているからのようです。中央日報(http://japanese.joins.com/article/878/220878.html)が、記者団と検察関係者との懇談会の模様を伝えていて、これが興味深い。

“――辛会長が拘束されればロッテグループの経営権が日本の支配に渡る構造になるという主張も、令状請求の有無決定時の考慮事案なのか。

「弁護人とロッテ側の主張だが私たちが検証する方法はない。それが辛会長に対する拘束令状の請求だとか身柄の決定に決定的要因になるとはみにくい」”

仮に昭夫氏が在宅だろうが牢屋入りだろうが、起訴されてしまうと、エリート弁護団を雇って無罪を勝ち取るべく徹底抗戦するでしょう。常識的には裁判も長期化するので、昭夫氏が最終的に無罪になるとしても、それまで経営を離れざるを得なくなります。その間、韓国ロッテの中核会社・ホテルロッテの上場は棚上げになる可能性は高いと言えます。

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最終更新:9月22日(木)7時11分

アゴラ

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