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真珠湾攻撃は「大安」だから絶対勝てると思い込んだ人々

女性自身 9/22(木) 15:00配信

「結婚式は絶対大安に」などと、今でも多くの人が気にする六曜。しかし、六曜はまったく科学的ではないと、最近『半オカルト論』(光文社新書)を上梓したばかりの高橋昌一郎氏が指摘する。
 戦争末期には「大安だから戦争に勝てる」などと思いこんだ人がいるという。以下、大学の研究室で「教授」と「助手」が雑談をしている設定で、そんな悲しいエピソードを紹介しよう。

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教授 これは以前、立命館大学名誉教授の安斎育郎氏から聞いた笑い話だがね……。
 日本が真珠湾を攻撃した1941年12月8日は「大安」。だから、日本の勝利は最初から約束されていると信じた人がいたそうだ。

助手 でも「大安」の日は、アメリカにとっても「大安」じゃないですか?

教授 あははは、引っ掛かったね! 日本が奇襲した8日未明、ハワイは日付変更線の向こうだから、アメリカ時間では7日。そして、この日は「仏滅」だったというわけだよ。

助手 すごいコジツケ!

教授 「大本営発表」に浮かれた当時の日本では、そんな非合理なコジツケさえ謳われたということだ。

 短期決戦でアメリカに打撃を与えたかった日本軍は、続いて1942年6月5日、ミッドウェー島を攻撃した。当時の総司令部が「六曜」を気にかけて作戦日程を選んだのかどうかは知らないが、日本時間の5日は、勝負事に先んじれば勝つという「先勝」、アメリカ時間の4日は、厄日とされる「赤口」だった。

 ところが、現実のミッドウェー海戦では日本軍が大敗し、そこから日本の悲劇が始まった。

助手 どんな日だって、勝つ人がいれば、負ける人もいるでしょうし、幸運な人がいれば、不運な人もいます。ですから、「日」に「吉凶」があるという考え方自体、矛盾しているとしか思えないんですが……。


<著者プロフィール>
 高橋昌一郎(たかはししょういちろう)

 1959年大分県生まれ。國學院大學教授。専門は論理学・哲学。ウエスタンミシガン大学数学科および哲学科卒業後、ミシガン大学大学院哲学研究科修了。主要著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)など。超常現象やエセ科学を究明するJAPAN SKEPTICS副会長。

最終更新:9/22(木) 15:00

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