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埋もれがちな「早生まれ」の逸材。発掘合宿で見出されたU-16日本の大型スプリンターFW

SOCCER DIGEST Web 9/22(木) 7:00配信

シーズンが4月区切りの日本では「早生まれ」に発掘漏れが起きやすい。

 U-16アジア選手権開幕前、U-16日本代表は深刻な不安要素を抱えていた。負傷者である。替えの利かない選手たちが次から次へと故障で戦列を離れる緊急事態だったが、この大会を意識したかのようなタイミングで続々と復帰。その中でも最後に帰ってきたのが、FW山田寛人(C大阪U-18)だった。
 
「もしかしたら間に合わないんじゃないかというところから、なんとか間に合ってくれました」
 
 森山佳郎監督は露骨に安堵の言葉を漏らしたが、まさにギリギリだった。実戦復帰は最終合宿直前の高円宮杯プレミアリーグ。それも交代出場で20分弱出場しただけというタイミングで、招集見送りとなってもおかしくはなかった。逆に言えば、それだけ山田の必要性や将来性を森山監督が買っているということでもある。
 
 山田が初招集されたのは昨年5月の候補合宿だった。主力と見込んだ選手を全員外しての発掘合宿という位置づけで、とりわけ重視したのは、学年割りで大会のある日本において「発掘漏れ」が起きやすい早生まれの選手を見出すことだった。
 
 日本の大会が4月区切りで年齢を制限するのに対し、FIFAの大会は1月区切りで年齢を制限する。その間にある選手たちに眠れる逸材はいないかと、トレセン関係者のみならず、全国の指導者にも問い合わせてメンバーを集めた。その中に、山田はいた。
 
 合宿終了後、「探していた、今のチームにいないタイプのFWが見つかった」と森山監督は笑顔だった。FW宮代大聖、棚橋尭士、中村敬斗、久保建英といった選手たちは、いずれも足もとの技術に秀で、ボールに触って強みを出すタイプ。
 
 これに対し、山田は「スプリンタータイプ。浅野(拓磨)とか、ああいうスピードのある選手がちょっと(チームに)少ない。その意味で(山田には)背後へのスピードがある」。
 
 その点は、本人も自覚的だ。「自分のストロングは裏(を狙うプレー)。他のFWは足もとで受けて、というタイプ。僕は(ディフェンスラインの)ギャップから裏を突くのが得意」と、個性を活かして戦う意識は強い。181センチ(代表での登録上は180センチ)と上背もあり、ゴール前での身体の入れ合いや相手を背負うプレーも着実に進歩してきた。
 
 もっとも、中学までプレーしていたホペイロ刈谷ではトップ下を務めており、スプリンタータイプのFWになってから日は浅かったりもする。そこは逆に伸びしろと言えそうだ。DFとの駆け引きも、パサーとの呼吸の掴み方も、クロスに飛び込む強さも、まだまだ改善できるはずだし、より怖いストライカーになっていく余地がある。
 
 先発した第1戦で、これまであまりコンビを組んだことのなかった宮代と動きが重なったり、逆に距離が遠くなり過ぎたりと、「うまく周りと噛み合わなかった」のも反省点だが、それを次の登場時に修正できるかもポイントになる。
 
 山田は10年前のU-17ワールドカップでC大阪U-18の大先輩・柿谷曜一朗が決めたゴールを観た覚えがあると言う。自分と仲間たちがあの舞台に立つために、稀少な大型スプリンター・山田寛人がインドのピッチを走り抜ける。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)
 

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最終更新:9/22(木) 7:00

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