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注目のロシア新人事。外務省は北方領土解決の“最後のチャンス”を逃すな!

週プレNEWS 9/22(木) 6:00配信

鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」(8月24日開催)。

大統領府長官というロシアの重要ポストに、新たに日本語が堪能なアントン・ワイノ氏(44歳)が就任。今回の人事には北方領土問題解決へのロシア側の強い意欲がうかがえるという。

そうした状況において日本外務省はどのようなアクションを起こすべきなのだろうか。前編記事『大統領府長官に日本通の44歳を大抜擢したプーチンの深慮と外務省の無能』に続き、ふたりの議論は…!

* * *

佐藤 知日派のワイノを大統領府長官に据えるという人事は、「日本との関係を本当に強化したい」というプーチン大統領からの安倍首相に対するシグナルです。日本に精通しているワイノ長官は、日本が北方四島返還に強い思いがあることを理解しているし、歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島だけを返還するといった妥協案では日本が納得しないこともよくわかっている。話が早いんです。

ワイノは北方領土交渉にはかなり力を入れて取り組むはずです。というのも、おそらくプーチンは「ワイノが北方領土問題をちゃんと解決できるならば、ロシアを任せるに足るやつだ」と考えるであろうからです。つまりワイノにとって、北方領土問題とは大統領候補第一線のレースに入るためにも解決しなければいけない課題なんです。

だからこそ、9月2日のウラジオストクでの日露首脳会談は非常に重要です。そこでなんらかの方向性をまとめて、年内にプーチンが来日する流れをつくらないといけない。今年が、北方領土問題解決の最後のチャンスなんです。これをものにできなければ、北方領土交渉はもう動かないと思います。

歯舞群島と色丹島は1956年の日ソ共同宣言で日本に引き渡すことが約束され、このことに関してはプーチンも「義務的だ」と発言しています。その先の、択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島にどうつなげるかが、外務省の腕の見せどころです。

鈴木 知恵が必要ですね。

佐藤 秘策ですが、日露間の国境を画定し、クリミアを認めるという手があります。直接的に認めるとは言わないまでも、日本からロシアに北方領土での国境画定に関して「両国の国境は合意によらない限り、不変更である」と言う。こう言うことで、日本は北方領土の国境線に関してだけでなく、ロシアとクリミアの国境に関しても現状を承認するということになり、事実上クリミア併合を認めたことになります。

今まで、国境画定はロシアにとってほとんどメリットがなかったのですが、クリミア併合が多くの国に認められていない現状において、G7諸国のひとつである日本にクリミアを認めさせることは、ロシア外交にとって大勝利なんです。新聞で報道されない限り、外務省はこの手の問題が存在することに気がつかない可能性すらありますけどね。

先日起きた、ビザなし交流で国後島を訪れた日本人通訳が未申告の現金を所持していたとしてロシア当局に拘束(こうそく)された問題。あれくらいで、もたついている外務省が、まともな案を出せるとは思えません。今の外務省に足りないのは現場での処理能力なんです。今回の拘束事件で何が悪かったかというと、国後島でロシアの税関調査に応じてしまったこと。これは、国後島でロシアの管轄に服してしまったということです。

どうしても北方領土でロシアの税関が荷物検査を要求してきた場合は、例えばその税関職員に「ここだけの話だけど、おまえが仕事熱心なせいで安倍首相の訪ロがなくなるかもしれないけど大丈夫か?」と話を持ちかけて説得しなければいけない。現場でもみ消せなければ外務省の係官がいる意味がないですから。

北方領土で起きたことは表に出してはいけないわけです。それだけで北方領土問題が全部だめになってしまうことだってあるんですからね。

●鈴木宗男(すずき・むねお)
1948年生まれ、北海道出身。新党大地代表。2002年に国策捜査で逮捕・起訴、2010年に収監される。現在は2017年4月公民権停止満了後の立候補、議員復活に向け、全国行脚中!

●佐藤優(さとう・まさる)
1960年生まれ、東京都出身。外務省時代に鈴木宗男氏と知り合い、鈴木氏同様、国策捜査で逮捕・起訴される。外務省退職後は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家・評論家として活躍

■「東京大地塾」とは?
毎月1回行なわれる新党大地主催の国政・国際情勢などの分析・講演会。鈴木・佐藤両氏の鋭い解説が無料で聞けるとあって、毎回100人ほどの人が集まる大盛況ぶりを見せる。次回の開催は9月27日(火)。場所は、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ ザ・メイン宴会場階の芙蓉の間。詳しくは新党大地のホームページへ

(取材・文/小峯隆生 撮影/五十嵐和博)

最終更新:9/22(木) 6:00

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