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生保協会会長に聞くマイナス金利の業界への影響

ダイヤモンド・オンライン 9月22日(木)6時0分配信

 日本銀行によるマイナス金利政策の導入から半年以上が経過し、じわりと生命保険業界にも影響が及ぶ中、生命保険協会の会長に就任した明治安田生命保険の根岸秋男社長に、今後の方針を聞いた。

 ──日銀によるマイナス金利政策によって、生保各社の第1四半期決算が軒並み悪化するなど、影響が出始めています。

 生保にとってマイナス金利の影響は短期的にではなく、ボディーブローのように中期的に効いてきます。ALM(資産・負債の総合管理)を行っているため、保有契約に対してはすでに長期の債券で対応しています。問題は、新契約の獲得によるニューマネーの投資先がないことです。今の国債では逆ざやになってしまいます。

 ただし、そのぶん経営のかじ取りには時間的な猶予があるといえます。また、リーマンショックなど幾多の危機を経て、生保各社のリスク耐久力は以前よりも高まっています。生保各社を見回すと、先を見通して、早めに手を打っていこうとしています。

 課題は、負債と運用をマッチングさせるための運用の高度化や、外債などのリスク性資産をいかに取り込んでいくかでしょう。

 ──生命保険協会として重点的に取り組むことは何でしょうか。

 民間生保は社会保障制度を補完する役割を担っていますが、官民一体となって制度を支えていくことが重要だと考えています。その方策は大きく三つあります。

 一つ目は、マイナンバー制度の民間活用の促進です。2018年度に民間で利活用されることになっていますが、高齢者の安否情報や住居の情報を正確に把握できるよう、提言していきたいと考えています。そうすれば、年金や保険金などを迅速に支払えるようになったり、その際の手続き書類を簡素化できたりするなど、顧客の利便性が格段に上昇します。

 二つ目は、若年層の保険離れを防ぐための保険教育の充実です。

 三つ目は、「消費者志向経営」の促進です。5月末の新保険業法の施行や、金融当局が掲げるフィデューシャリーデューティ(受託者責任)など、消費者の立場に立った経営が求められています。

 現在のところ、新業法に関する大きな苦情は協会に寄せられていませんが、引き続きモニタリングしていきたいと考えています。

 ──フィデューシャリーデューティという観点では、銀行窓販の手数料開示が注目されています。

 手数料には二つあって、投資型商品の手数料は開示されていますが、販売手数料が開示されていません。どういう開示が望ましいのかについて議論が必要です。

 ここでのポイントは、顧客にどう理解してもらうかです。協会で留意事項を整理し、各金融機関に伝えたいと思っています。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫)

週刊ダイヤモンド編集部

最終更新:9月22日(木)6時0分

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