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ハウツー本で「変われない人」の根本的勘違い

東洋経済オンライン 9月22日(木)15時0分配信

 「つい食べ過ぎてしまう」

 「つい怒ってしまう」

 「ついダラダラしてしまう」

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 あらゆる悩みの根源には、こうした「やってはいけないとわかってはいるんだけど、ついやってしまう」習慣があります。ダイエットをしたい人は「つい食べ過ぎてしまう」習慣をやめればいい。さらに言えば「悪い習慣をやめて、良い習慣を始める」ということさえできれば、悩みごとは解決です。部屋を片付けたい人は「散らかす」習慣をやめて「片付ける」習慣をつければいいわけです。簡単ですね。

■「本気であれば」簡単なはずだが

 ただ、実際にはこの「ついやってしまう」(あるいは「ついサボってしまう」)習慣を変えることが難しいわけです。なぜでしょう? 

 もしも本気で「変えたい!」と思うなら、悩み事のほとんどは「すでに解決」しているはずです。なぜなら、本気で変えたいと思って変えられないことなんて、そうそうないからです。

 「やせたいんです」

 →「じゃあ、明日から食事の量を少し減らしましょう」

 「英語を話せるようになりたいんです」

 →「じゃあ、勉強したらいいんじゃないでしょうか」

 ね?  簡単でしょう?  確かに「ボクシングで世界チャンピオンになりたい」とか「大金持ちになりたい」という悩みであれば、話は別です。でも、自分がいまやっている悪い習慣を良い習慣に変えるということに「できない理由」なんか本当はないはずなんです。

 ただし、「本気であれば」です。

どんなハウツーでも「負担ゼロ」はない

 言い換えれば、「変えたいのに変えられない」と悩んでいる人は、結局のところ「本気ではない」ということです。本気ではないけれど、変えたい。つまりは「できるだけ楽をして変えたい」と思っているわけです。

 世の中にはハウツー本があふれています。なぜ人々がハウツーに飛びつくかといえば、「楽に変える」ことができそうだと思うからです。

 もし本気で「変えたい!」と思っている人であれば、「楽に変える」よりは「確実に変える」方法を選ぶはずです。ところが多くの人はハウツーを選ぶ。「確実に変える」よりも「楽に変える」ほうを選ぶ。

 ここに落とし穴があります。どれほど小さな変化であっても、人間が「今やっている習慣」をやめたり、変えたりすることには、それなりの負荷がかかります。「1日5分でやせる!」みたいなキャッチフレーズを聞くと、「ああ、楽そうだ」と思うわけですが、その「1日5分」が大変なんですね。負荷がゼロのハウツーというのはない。

■まずは負担を「覚悟」することから

 僕は、世の中に存在するあらゆるハウツーは「有効」だと考えています。ただし、「負担ゼロのハウツー」は存在しないのもまた、事実です。

 皮肉なことに、「楽したい」という期待を抱いている人には、どんなハウツーも効果を発揮することはありません。なぜなら、どれほど優れたハウツーも負担はゼロではないし、やらなければ効果はゼロだからです。

 どんなに小さなことでも「変える」というのは負担です。その負担を覚悟しないことには、人は変わることができないのです。

 変わるためにはまず、負担を覚悟すること。そして次に大切なことは、一気に全てを変えてしまおうとは思わないことです。もちろん、人生の中にはあらゆることがガラッと変わってしまうような転機が訪れることはありますが、私たちが自分の努力で変えることができるのは、ほんの少しの変化です。でも、その少しの変化が、やがて大きな変化につながります。

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最終更新:9月22日(木)15時0分

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