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2戦連続MOMで大フィーバー中。原口元気の意外なマメさと野望。

Number Web 9月22日(木)18時1分配信

 世間からの評価なんて、いつも、遅れてやってくる。

 現在ドイツで巻き起こっている「ハラグチ・フィーバー」は何を意味するのだろうか。

 原口元気は開幕戦で2ゴールの起点となると、第2節では2つのゴールをアシストした。『キッカー』誌は、2節連続でヘルタの試合のマンオブザマッチに原口を選出した。

 香川真司や岡崎慎司、清武弘嗣でさえ、2試合連続でマンオブザマッチに選ばれたことはない。さらに、第2節終了時点で同誌のつける各選手の平均採点ランキングで3位タイに名を連ねた。

 また、多くの新聞が拠点を置くベルリンの新聞も競うように原口について報じるだけではなく、インタビューを行なうほどの力の入れようだ。

 「ゲンキは信じられないくらいに成長した。今では素晴らしいサイドアタッカーとなった」

 ダルダイ監督も原口に対する賛辞を惜しまない。

ボールを持った時にも周りが見えている感じがある。

 もっとも、この過熱ぶりは、原口が突然変異を起こしたことを意味するわけではないだろう。

 原口は、ここまで結果を残してきている要因はいくつかあると考えている。

 「昨シーズンは『いっぱい、いっぱいだな』という感じがありました。でも今はボールを持ったときに下を向かずに、パーッと周りが見えている感じがある。シーズンが始まったばかりでコンディションがいいというのはあるけど、オフに良いトレーニングが出来たというのも大きいでしょうね」

 もちろん、原口が2014年1月からロシアW杯までの4年半という期間を一つの目安にして、個人トレーナーとともに継続して身体を鍛えてきたことも大きい。

 「去年やってきたものが、少し形になってきたかなというところかな。何かを変えたわけじゃないし。結局、全てはその延長線上にあるから。チームとしても、自分自身のやっていることも」

チームの勝利プラス、毎試合ゴールを獲るつもりで。

 スピードが出ても怪我をしないような身体のコアを鍛える段階は終え、今度はスピードをつけて、さらに増していくための準備にとりかかっている。その成果が周囲の目にもはっきりわかるものになってきたということだろう。

 そして、忘れてはならないのが、ゴールやアシストなどの結果への意識を高めたことだ。

 原口はこう語る。

 「昨シーズンは、自分はとにかくチームが勝てばいいと考えたり、チームのために、という意識が強かったです。それは変わらないけど、今は毎試合、点を獲るつもりでいます。点を獲らなければ、このチームで常に試合に出られないですし」

 これは自身のトレーニングの計画とも関係している。

 昨年4月半ばに、チーム得点王だったカルーからかけられた言葉を原口はこう明かした。

 「ゴールを決めたいのなら、守備はほどほどにして、攻撃に力を残しておくべきだ」

 かつてはチェルシーでもプレーしたチームメイトの意見を聞きながら、原口は当時の状況について思考を巡らせていた。

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最終更新:9月22日(木)18時1分

Number Web

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