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クレクレ女子は不幸になる…傑物に愛される近道は“金に負けない心意気”【西原理恵子×花房観音×生島マリカ】

週刊SPA! 9月22日(木)16時20分配信

 生暖かい空気が猛暑の訪れを告げた某夜。麻布十番の隠れ家バーに、漫画家の西原理恵子、作家の花房観音、作家の生島マリカが現れた。傑出した才を誇り、自分の足で立つ女傑らは「女であること」のしんどさをどう克服してきたのか――女傑対談、最終章をお届けする。

* * *

――前回は、「モテるためにマニュアル本を読むなんてナンセンス!」というお話が出ました。花房さんのこのご意見に、西原さんは「恐喝ビジネス」だと。その心は?

西原:人の不安を駆り立てて、「これじゃダメです。モテないです」って本は「こんなんしてたら、ハゲるぞ~」ってのと一緒なんですよ。モテ本もだけど、子育て本もそんなのばっかりでしょ。「こんな子育てしたら、キレる子になります」って。悩んでる人や心の弱い人に漬け込んでる。今流行ってる「引き寄せの法則」シリーズもね。ほんと、うまいことやったわ~って感心したんですよ。男も、宝石も、犬も、マンションも……思ってることは全部引き寄せられるって。で、思うように手に入らないのは、「あなたの引き寄せ方が間違っているから」ですって! すごすぎでしょ。もう美味しすぎる市場!……引き寄せ本買う人たちの名簿が欲しい!

生島:ちょっと! 良い話かと思ったら、生臭い話になってるから(笑)。

西原:これに引っかかって騙されるのは、騙される人が悪いよ。だって、タブレット一個で世界中から情報を探せる時代に、思うだけで引き寄せられる言ってるんだもん。詐欺師にとって、こんな楽なことない。

花房:ターゲットが老人なら「オレオレ」で、結婚したい女には「引き寄せ」。詐欺の形もだいぶ変わってきてますね。スピリチュアル系の「幸せになりたい」商売もすごいもん。石買ったり、神社行ったり。私、バスガイドをやってるから、人よりパワースポットと呼ばれる神社とかに行ってるけど、なんだかな。

生島:男を見極めるスカウターが壊れてるのも問題。だけど、しょーもない詐欺に引っかかるのはもっと切ないなぁ。やっぱね、何かにつけて男に「おねが~い、よろしくね~」って甘えてばかりの女っていうのは、男とは自分のために何かしてくれる存在でしかないの。男のために積極的に何かしようとはしない。だから、しょーもない男に引っかかることもなければ失敗もしない。でも、男に自分から「まかせて、やってあげる」って甘やかしちゃう女は苦労するんですよ。あたしがやってあげなきゃ症候群。愛されもしたけど。あれ、これって錯覚かな(笑)?

◆「タカる男はカモれる女を見分ける嗅覚だけはハンパじゃない」

西原:だから教育って大事なんです。私も赤チンポ先生だらけだったけど、男の人でもいるじゃないですか? 痛い女の子とばっかり付き合う人。それで子供できちゃって結婚でもしようものなら、たいがい奥さんは狂ってるから、別れることになる。でも養育費はめっちゃ払わされて。

その狂った奥さんも金もらっておきながら、子供にずっと元旦那の悪口吹き込みまくって育てるの。そうやって育てられた子供も、母親と同じように狂っていくんだよね。

生島:最悪なループ。でも、いるいる。しかも、そこそこちゃんとした家で育って、教育も受けて、社会的地位も財産もあって、肩書きを持った人でもそういう人っていますね。男女問わず。外から見たら立派な家庭。でも中はぐずぐずに腐ってて、家族全員が病んでる。

西原:私の持論だけど、貧乏と暴力とろくでなしは伝染するんです。

生島:最悪なループからの、負のスパイラル。腐ったリンゴの横にあるリンゴは順々に腐っていきますもんね。逃げ出すか、主犯のリンゴについた原因菌を取り除かない限り、周りの健康なリンゴも腐るから。

西原:そう。貧困と暴力、ろくでなしってワンセットの雪山みたいになってて。酸素は薄いわ、もう愛の北壁みたいなところで「どうすんの、ここ景色が全部白いけどー!」みたいなね。で、そういう状況で自分の手が2本しかないってことに気がつくんです。家事、仕事と子供で精一杯。もう思考停止しないとやってられなくなる。

花房:生まれつきスカウターが壊れてる人もいれば、そういう状況下で壊れる人もいるでしょうね。それに、金たかったりDVしたりする人って、できる相手を見極める臭覚だけはやたら優れてる。

西原:あれは野生の本能だから。野生のライオンも、エサを狩る時は足が遅い老鹿とか、病気や出産中で弱ってる相手を狙うでしょ。元気な奴なんて絶対狙わない。つまり人間でも、補食するタイプの奴は、弱ってるところを巧みに狙ってくるんです。深川通り魔事件の川俣軍司も、米兵とか刺さないでしょ? 女、子供だけ。そこが社会ではなかなか理解されていないと思う。

死んだ夫は、どんなにベロベロで大暴れしてるような時も、銀座のクラブの女とか、偉い人にはおべっか使えてたんですよ。あれを見て、アル中とか病気のせいじゃなくて、心の汚い、悪魔のような人間だと思ったもんですよ。

生島:これ娘さん見たら「マリカさん! お母さん、お父さんのこと悪魔とか言ってる」って、また怒りますよ(笑)。

西原:そういう病気の人がいるってことを広めて、今、同じような状況の人が逃げ遅れないようにしないと。

生島:だいたい暴れたり殴る男って、ボッコボッコにしばいといて、後でごめんなモードになるからね。ムスッとしてたらまたキレるし。でも、そんなにすぐ笑って許せるかって。

◆「魂を汚さない生き方」が逆転力を生んだ

花房:マリカさんは、結構言い返したり、やり返したりしそうですよね?

生島:そう思われがちですけど、私、親が年をとってからの子で、古風に育ってるせいか、男に手を上げるってのはできない。ケンカになると、大概相手の方がヒステリックになりますよ。

花房:私の知人で長らくDVされてた子は、ある日ぷつっと切れて、旦那のことハサミでめった刺しにしましたね。まず、旦那の制服を切り刻んで。

生島:いや、それは危ないでしょ(笑)! 殺人未遂じゃないですか。

西原:「シャイニング」ね。

花房:でも、それでぴたっとDVが止まったんです。まぁ最終的には離婚しましたけど(笑)。その男のDVは、制服を着るような固い仕事のストレス、そのストレスに見合う給料じゃないってところから来てた部分がかなりあったと思うんです。周り見てても、稼ぎが少ない男のほうが余裕ないからか嫉妬深くなって、支配的になることが多い気がします。

西原:やっぱり、貧困というストレスの中にろくでなしは蔓延していくんですよ。

生島:確かに、社会的地位があると、それが抑止力になりますもんね。でも、金持ちにも病んでる人はいますよ。

花房:貧乏だと離婚もできないですしね……。夫のDVや浮気でどんなに苦しんでいても、どうして別れないの? って聞いたら、生活ができないって。相談だけでも弁護士に駆け込むとか、いろいろ知識があれば違ってくるのに。結局、夫も金ないから慰謝料もろくに払えないし、養育費なんてもってのほか。離婚後にお金をもらえなくて負のスパイラルに陥る人、たくさんいますよね。

生島:私もそうでしたよ。子供が中学に上がるまでは我慢、我慢って。ただね、魂を汚さないじゃないけど、お金に屈しない生き方をしてきた自負はあります。経済的な理由で、自分の中でとっくにダメになってる男に依って我慢するくらいなら、貧しくても自分で稼いでやるって。そうやって息子を育てあげたし、何回貧乏になっても這い上がってきた。生活のために、お金のために、立場のために我慢っていうのはなかったな。自分の気持ちに嘘ついたり、相手に嘘つくのも嫌だし。自分の人生を諦めたりできなくて何回も玉の輿から降りました。しかも手ぶらで(笑)。

――ホステスでトップに上りつめて贅の限りをつくし、資産家の1人息子や大物経済ヤクザの子息と結婚。DVや浮気で別れて、極貧から今、作家として自叙伝を出し、暮らしぶりもいい……マリカさんは這い上がるどころか、逆転してますよね。

生島:ジェットコースターみたいってよく言われます。でもね、傑物に好かれるには「金に負けない」って意地や心意気は絶対必要だと思うんです。なめんなよ、と。札束ごときで私を縛れると思うなよと。したら、相手も「おっ、なんだ」となるじゃないですか。西原さんも、お金目当ての女じゃないから高須先生と今の関係がある、とおっしゃってたけど、結果そうなのは経験で身に染みてます。私、3回も4回も結婚したのに、一回も慰謝料もらってないですから。

花房:え? 一度ももらってないんですか?

生島:もらってないですよー。養育費だって一円も。全員から慰謝料もらってれば、ビルくらい建てられたんじゃないかな。次からはもらいます。もう年だし(笑)。

西原:マリカちゃんはアギーレ法律事務所行って、過払い請求してきなさい(笑)。あなたは例外だから。

◆「くれくれ女」はいつか事故る

西原:でもさ、考えさせられる話だよね。東京の女のコたちを見てると、みんな「くれくれ」言って、守ってもらうのが当たり前になってるでしょ。守られてはだめなの。パートナーとは戦友で、フェアトレードじゃないと。どちらかが負担になってはダメ。そういう関係では、いつか事故が起きるんです。

長い人生、突然の嵐がやってきた時に、自分の力で生きていけるように、人間としてのキャリアアップをして欲しい。幸せは自分から取りに行って下さい。そのためには、(小声で)多少汚いこともしてね。「衣食足りてチンポを知る!」ですよ。

花房:すごい格言、部屋に飾りたいです。「くれくれ」言ってると、依存することに慣れて卑屈な人間にしかなれないですもんね。

生島:今、貧困の中にいても、他人を妬まず、お金に負けないで生きていけば、いつか自分で立てるようになると思います。

西原:そう。だからマツエクがどうとか、引き寄せがどうとか言ってないで、もっと生きる知恵をつけて下さい。最後に愛は勝たへんで~!

【西原理恵子】

1964(昭和39)年、高知県生まれ。武蔵野美術大学卒。1988年、週刊ヤングサンデー『ちくろ幼稚園』でデビュー。1997(平成9)年に『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞、2005年には『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。『女の子ものがたり』『いけちゃんとぼく』『この世でいちばん大事な「カネ」の話』『生きる悪知恵』など著書多数。

【花房観音】

京都女子大学中退。2010年「花祀り」で、第1回団鬼六大賞を受賞し、デビュー。映画会社、旅行会社などを経て、現在もバスガイドを務める。「まつりのあと」(光文社新書)が絶賛発売中

【生島マリカ】

1971年、神戸市生まれ。最終学歴小学校卒。在日2世。複雑な血筋の両親のもとに生まれる。父親の再婚を機に13歳で家を追い出され、単独ストリート・チルドレンとなる。3度の結婚と離婚を繰り返し、2度の癌を経験。自分が死ねば、同じく天涯孤独になる一人息子への遺言を兼ね、文章を書き始める。2012年夏、真言宗某寺にて得度。著書に『不死身の花―夜の街を生き抜いた元ストリート・チルドレンの私―』(新潮社)

日刊SPA!

最終更新:9月22日(木)22時50分

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