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歯科技工士の技術料金 2か所でピンハネされる理由は

NEWS ポストセブン 9/23(金) 7:00配信

 保険診療の銀歯や入れ歯の値段は、国が定めた全国一律の金額(診療報酬)が定められている。

 歯科医は、診療報酬の中から歯科技工士に技術料を支払うが、価格決定権がある歯科医が安く買い叩く等の問題が深刻化していた。そこで技工士団体が国に改善を求めた結果、昭和63年に次の厚生大臣告示を引き出した。

〈歯冠修復及び欠損補綴料には、製作技工に要する費用が含まれ、その割合は、製作技工に要する費用がおおむね100分の70、製作管理に要する費用がおおむね100分の30である〉

 つまり技工士の取り分が「7」で歯科医は「3」にすべき、という内容である。

 技工士たちは大臣告示に喜んだが、やがて厳しい現実を突きつけられた。法的拘束力がなかったため、技工士の受け取る技術料金は変わらなかったのである。歯科技工士の待遇改善を求めて活動する雨松真希人さん(34)がいう。

「関西のある歯科技工士が、大臣告示に基づいて技工料の改訂を得意先の歯科医にお願いした結果、歯科医たちが裏で申し合わせて、この技工士の取引を全て切ってしまった。彼には幼い子供と奥さんがいましたが、電車に飛び込んで命を絶ちました」

 取材した兵庫県神戸市の歯科技工士(57歳)が製作していた、インレー(銀歯)の診療報酬は、595点(※診療報酬を10倍した金額が歯科医に支払われる)。

 このうち技術料は284点。大臣告示の『7対3』で計算すると、1990円が支払われるはずだが、実際は5分の1の400円しか彼は手にしていないというのだ。なぜ、これほどまでに搾取されてしまうのか?

 理由は、2か所でピンハネされていることにある。まず、銀歯を発注した歯科医は、約800円で中規模の歯科技工所に発注していた。神戸の歯科技工士はその下請けで、半額を営業経費として抜かれて400円になっていたのである。

 日本の歯科技工所は個人経営が大半を占めているが、近年は一定規模の歯科技工所が、全国に営業活動をするようになった。その結果、ダンピング競争で取った仕事を、個人の技工所に安い金額で下請けに出して、手数料を稼ぐビジネスモデルができたのだ。

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最終更新:9/23(金) 7:00

NEWS ポストセブン

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