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新日本プロレスは東証上場の『ゴング』を鳴らせるか? あのゲーム会社が仕掛け人!

NIKKEI STYLE 9/23(金) 7:00配信

 プロレス人気が高まっている。その仕掛け人が2012年に新日本プロレスリング(東京・中野)のオーナーとなったカードゲーム会社のブシロード(同)の木谷高明社長だ。慢性的な赤字に苦しんでいた新日本プロレスは、木谷社長のもと無借金になり、今や約6億6000万円の純資産を持つ優良企業に変貌を遂げた。「2020年には、新日本プロレスの上場をめざす」との宣言を実行すべくまい進する。木谷社長の狙いと今後のビジョンを聞いた。

■驚異的な業績回復

 ――新日本プロレスはこれまで経営者も次々に変わり、赤字続きの非常に厳しい経営が続いていました。カードゲーム会社を経営する木谷さんが、12年1月に新日本プロレスを子会社化した狙いは何だったのですか。
 「プロレスが魅力あるキャラクターコンテンツだと考えたからです。我々の本業にも近い。潜在力があると思ったし、宣伝を増やせば人気も上昇すると確信していました。やり方次第だと」
 「実際、新日本プロレスの業績は好調です。今期決算(16年7月期)では売上高32億円、経常利益は約4億1000万円です。ちなみに子会社にする前の売上高は約10億円でした。10年ほど前に1度黒字になったくらいで、赤字もしくはトントンがずっと続き、13億円ほどの債務超過でした。買収時、前の親会社に8億円程度で債権放棄してもらい、実質5000万円で買いました。4億5000万円の借り入れを引き継ぎましたが、これもすべて返済してもらい、現預金が5億3000万円あります」
 ――新日本プロレスは株式公開を計画、東証で上場記念の鐘を鳴らせるかが話題となっています。業績のV字回復のために、どのような戦略を立てたのですか。
 「まずは我々の直前に経営していた会社のおかげだと思います。ゲームソフト開発のユークスという会社で、経費を徹底的に抑えて無駄なものを削ってくれていました。ユークスはゲームの開発受託会社なので、経費管理をきちんとしないと赤字になります。新日本プロレスについてもその方針だったのでしょう。しかし、このやり方には弱点もあります。攻めるのが苦手なのです。しかし私は攻める経営が得意です。子会社化してからは、私がいつもやっている宣伝戦略であおりました」
 ――本業への相乗効果はありましたか。
 「営業活動には非常に役に立ちました。営業担当者が小売店に当社の商品を置いてほしいと頼んだら、『一度社長に会いたい』といわれることがよくあるそうです。40歳代、特にエンターテインメント業界で働く人たちはプロレスへの思い入れが強い。当然、私は会いに行きますが、無意識のうちに売り場にうちの商品を置いてくれるようになりました。そのくらい、『新日本プロレスのオーナー』というのは40歳代のビジネスパーソンにとってはブランドなのですね」
 「一方で、若い人にはプロレスって認知されていません。3年ほど前に東京大学で当社のビジネスについて講演したのですが、会場にいた250人以上の学生に、『動画共有サイトのユーチューブなどのインターネットでもいいからプロレスを見たことのある人はいるか』と尋ねたら、10人ちょっとでした。このあいだ、あるランキングで『飲み会で上司にされて困る話題1位、プロレス』というのも見ました(笑)」
 「逆に、だからこそ可能性があると思っています。若い世代がそれだけ見ていないのに、実はお客さんは入っているんです。特にイベントの少ない地方がいい。以前、新日最大級のリーグ戦『G1クライマックス』の鹿児島大会で興行したら、3300人が集まり、物販の売り上げだけで1000万円もありました」

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最終更新:9/23(金) 7:00

NIKKEI STYLE

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