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水道橋博士 「大人が夢を持てない社会を作った」若者に寄り添う

BEST TIMES 9月23日(金)12時0分配信

オレだって夢があったわけじゃなく…

  ひとことで言うと、我々大人が若者が夢を持てない社会を作ったんでしょうね。少子化で社会全体が縮小していて、右肩上がりで経済が上がっていかないから。日本の「失われた20年」という経済的な停滞というものがあって、結局、自分が結婚できるのか、結婚しても子供が育てられる自信がないという世代的な不安を反映する状況になってしまっているんですね。

 経済成長がほとんどない中では、社会に将来的に不安しか広がらないという現状になってしまってる。だから社会の中のマスの人たちの平均値をとると、夢がない人たちが多くなるものしょうがないのかもしれない。

 でも、今だって海外留学する人もいるし、起業する若い人や、リオ五輪でもあれだけメダルだってとっているわけで、一概に「若者に夢がない」とは言えないけどね。むしろ、夢を持ち、大胆な行動をとる若者は、昔に比べて、逆に目立ってる。

 たけしさんも「若者に夢を持てと言うのは無責任すぎる」とよく言いますけど、オレも若い人たちに一概に夢を持てとは言いたくないです。オレ自身を振り返っても「夢」=「成功シナリオ」なんかもっていたわけじゃなく、本当に自分みたいな引っ込み思案が「芸人」になれると思っていたわけじゃなかったですから。ただ、たけしさんの人生をなぞろうとして、芸界に飛び込んで、過去を捨てて、一歩踏み出しただけなんです。

お笑いの世界は過当競争になりすぎている

 お笑いで言えば、最近ものすごく芸人を目指す人達が増えているわけだけど、過当競争すぎますよね。NSCなんか東京・大阪あわせて年間2000人くらい入るって聞きました。これだけ大勢で少ない椅子を争うとなると、才能があるのに途中であきらめなきゃならなくなる人だらけですよ。

 ジャンルとしてレベル的にはめちゃくちゃ上がっていますけど、逆に十分に喰えている人が少なくなってきますね。いや、もっと言えば、そこそこ喰える人ばかりになって突出出来ない。

 最近読んだ記事で森永卓郎さんが言っていたけど、お笑いの世界は、売れている先輩芸人に売れない後輩芸人が寄生する構造、つまりベーシックインカムが出来た未来社会の先取りだと。確かにそうですよね。

 無職であっても、最低限の「食」は先輩に奢ってもらえるし、洋服のお下がりを貰ったり、「衣」の保証がある、安い下宿を確保すれば生き延びれるのが芸人社会なわけだから。

 でもねー。これも「芸人は生かさず殺さず」といういうだけで、本当は大いなる浪漫を人生に体現することが芸人なのに、システムマチックに身過ぎ世過ぎになっていて、野望を摘むようになっている気がしますね。

写真:花井智子

最終更新:9月23日(金)12時0分

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