ここから本文です

パワハラ社長に憤る社員がアップした動画に機密が含まれていたら…法的に悪いのはどっち?

オトナンサー 9/23(金) 10:00配信

 職場におけるいじめや嫌がらせ、パワハラが年々増えています。厚生労働省によると、2015年度に寄せられた「いじめ/嫌がらせ」の相談件数は6万6566件。6万件を突破するのは2014年度から2年連続のことです。

 この数字はあくまで“表面化”したものに過ぎず、実際ははるかに多くの人が同じ悩みを抱えている可能性があります。「泣き寝入り」や「沈黙」がまだまだ多い、などの指摘もよく目にするところです。

 オトナンサー編集部では今回、日本企業の9割以上を占めるとされる中小企業を舞台に架空のストーリーを作り上げ、パワハラが孕む法的側面の一端をあぶり出しました。

 ワンマン社長のパワハラに耐えかねた社員はある日、その証拠を「YouTube」にアップするのですが…。

パワハラの様子を「YouTube」にアップした社員

 ここでは以下のように人物とその行動を措定します。

――「私は関東の中小コンピューターソフトメーカーに勤務する30代の一般社員。3歳になる1児の父で、5年前に現在の会社に中途入社しました。創業者である現社長はワンマンタイプの人物で社員が異論を挟もうものなら、すぐに大声で罵倒し始めます。入社当時、60人いた社員は2~3年でほぼ半分が入れ替わる状態が続いています」

――「私はこれまで5年間、社長の罵倒に耐えてきましたが先日の会議でついに堪忍袋の緒が切れる出来事がありました。帰宅後、議事録を作成するために回していたICレコーダーの音声データを、社長の実名がわかるタイトルで『YouTube』にアップ。そのデータは私への罵声のほか、社内のビジネス上の秘密事項も含まれていました」

――「アップ後1週間でデータを削除したのですが、仮にアップした状態を社内の人間に見られた場合、何らかの処分を受けることになるのかとても心配です」

ケースによっては損害賠償請求も可能に

 弁護士の牧野和夫さんによると、音声データに会社の事業計画や顧客リスト、技術情報などの「営業秘密」が含まれている場合は、就業規則違反によって処分を受ける可能性があるといいます。

 下手をすれば、不正競争防止法における営業秘密の不正取得と不正開示の罪(懲役10年以下)に問われる可能性もあるとのことです。

 それではワンマン社長のこれまでの振る舞いに問題はないのでしょうか。仮にこの社員がパワハラを理由に、ワンマン社長への社会的制裁を求めた場合、どのような手段が考えられ、どのような責任(罪)を社長に問うことができるのでしょうか。

 牧野さんの答えはこうです。

「パワハラが原因で社員の方に精神的な障害が発生したり、パワハラが直接の原因で自殺したりすれば、民事上の損害賠償請求が可能になります」

オトナンサー編集部

最終更新:9/23(金) 11:19

オトナンサー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。