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NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」に学ぶ長寿ビジネスの秘訣 (酒井威津善 ビジネスモデルアナリスト)

シェアーズカフェ・オンライン 9/23(金) 5:00配信

最終回まで残すところあと1週間となったNHK朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」。これは戦後間もない1946年(昭和21年)から、現在まで刊行が続く生活総合誌「暮らしの手帖」の創業者大橋鎮子(おおはししずこ)さんをモチーフにしたドラマです。

近年、出版不況が叫ばれ、多くの有名誌が休刊・廃刊していく中、なぜ「暮らしの手帖」だけが今なお残り、読者に支持され続けるのでしょうか。

■ストーリー
物語は、戦前から始まります。主人公の小橋常子(こはしつねこ)は、早くに亡くした父親に代わり、家族のために「とと(父親)」の役割を果たすと誓ったことから、とと姉ちゃんと呼ばれます。そして、戦前から携わった出版経験を元に、パートナーとなる花山伊佐治や妹2人とともに、文字通り焼け野原の中から出版社を立ち上げ、悪戦苦闘の末、事業を広げていきます。

今作は、生家が財閥であったような話とは異なり、まさにゼロから会社を立ち上げ、ピーク時には100万部に達するほどの一大メジャー誌に育て上げます。ドラマの中では、この成長を支えた数々のビジネス手法が登場。そのうち、現在でもよく見かけるものも含め、5つご紹介しましょう。

■30年先を行くビジネス手法
1つめは、「定期購読」。雑誌「あなたの暮らし(ドラマ内での名称)」は、早い段階から定期購読を開始しています。昭和20年代、書店が十分になかった時代、全国の読者に向けて定期的に雑誌を郵送・販売。結果、着実な売上に結び付けています。

2つめは、定期購読に合わせた「読者アンケート」。今となっては、当たり前の手法ですが、あなたの暮らしは、70年近く前からこうした読者とのコミュニケーションツールを導入。読者の声を反映し、雑誌の品質を引き上げることに注力しています。

そして、3つめ。あなたの暮らしの目玉企画「商品試験」。昭和30年代、高度成長期に入り、テレビや洗濯機などいわゆる三種の神器など日々の暮らしが楽になる便利な製品が登場してきました。しかし、当時のメイド・イン・ジャパンはまだ優れた品質の代名詞ではありません。粗悪品が出回り、購入した人の中には怪我をする人も少なからずいました。そこで、あなたの暮らしでは機能面や使い勝手、安全性など生活者の視点で性能テストを行ない、その結果を雑誌に掲載したのです。

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最終更新:9/23(金) 5:00

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