ここから本文です

小倉「解任」に思う。指導者育成なくして日本サッカーの未来は拓けない

webスポルティーバ 9/23(金) 11:22配信

福田正博 フォーメーション進化論

 今シーズンから名古屋グランパスを率いていた小倉隆史監督が、8月に事実上の解任となった。今季のJ1リーグにおいて3番目(開幕時点)に若い43歳と、フレッシュな登用に期待を寄せていただけに、プロの世界は結果がすべてとはいえ残念なことだった。

【写真】サンフレッチェ広島の森保一監督。就任1年目のシーズンでJ1初制覇を成し遂げ、在任4年で3度も広島にJ1優勝をもたらした

 Jリーグや日本代表で監督をするには、S級ライセンスが必要になる。これはJ1でも、J2でも、J3でも同じだ。プロ野球のように誰でもなれるわけではなく、日本サッカー協会の講習を受けて、資格を取得した者だけができる。ただし、これはあくまで監督としてのキャリアを踏み出すための第一歩でしかない。

 監督の仕事というのは、スターティングメンバーを決め、試合中は3人の交代枠を使い、チームを勝利に導くことと思われている。もちろん、そうした側面もあるが、それはほんの一部分に過ぎない。監督の仕事の多くは、サポーターやメディアの目が届かない、試合以外のところに大半がある。

 そのひとつである「チームマネジメント」も言葉にするとひと言で済んでしまうが、実際にやるとなると、実に膨大な労力を要する。

 たとえば「選手のモチベーション管理」をとってみても、現場で実践するとなると多大な時間と労力を割かれる。チームには20人以上の選手がいるが、全員がフィジカルもメンタルも同レベルにあるわけではないからだ。

 チームの根幹を担う主力とレギュラーがいて、サブ組がいる。サブ組も、レギュラー争いに加われるレベルの選手もいれば、シーズンを通してあまり出場機会のない選手もいる。さらに、ベテランからプロになりたての若手まで年齢構成も多岐にわたる。そして、選手は経験や置かれた立場によって、それぞれ異なったモチベーションを持っている。

 レギュラーに抜擢された若手は放っておいてもモチベーションは高い一方で、去年までレギュラーで活躍したベテランが、新シーズンに控えに回されたらモチベーションを保てなくなることは想像に難くない。故障した選手が精神的に不安定になることもあるだろう。

 こうした選手ひとりひとりの立場や気持ちを察して、“チームの勝利”という目標に向かわせることは、たいへんな作業であり重要な仕事だ。これを疎かにしても、チームが好調なときは問題が隠れている。しかし、ひとたびチームの歯車が狂い出すと選手の不満が一気に噴出し、チームはバラバラになってしまう。

1/3ページ

最終更新:9/23(金) 16:36

webスポルティーバ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
11月10日発売

定価 本体1,389円+税

フィギュアスケート特集
『羽生結弦 未来を創る人』
■羽生結弦 インタビュー、エッセイ
■羽生結弦 フォトギャラリー

Yahoo!ニュースからのお知らせ