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プロゴルフ人気回復の秘策

Wedge 9月23日(金)12時10分配信

 石川遼ブームがすっかり収まってしまった男子プロに、韓国勢に席巻されている女子プロ。ゴルフ人口の減少に歯止めがかからない中、ゴルフ人気回復に向けてプロ団体も改革に乗り出している――。松井功・日本ゴルフツアー機構(JGTO)副会長と、小林浩美・日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長に聞いた。

―― 男子プロの人気が落ちているのはなぜか

「JGTOの副会長をする4年前には日本プロゴルフ協会(PGA)の会長を6年やり、その間、ジュニアの育成、プロゴルファーの人間形成に全力を挙げて取り組んだ。しかし、肝心の男子プロはファンへのサービス精神がなぜか乏しい。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)と比べると選手のファンへのホスピタリティーの充実度が違う。女子プロはプレー中にギャラリーに手を振ったり、ファンに手紙を書いたりするなど努力をしているが、男子プロはいままで以上のファンサービスをしなければならない」

―― 人気を回復するための具体的な対策は

 「男子ゴルフの魅力はドライバーで300ヤード飛ばし、190ヤードの距離を7番アイアンでピタリとボールを止めるのは男子プロでないとできない。だがトーナメントに集中するあまり、ファンの声援になかなか応えられない場面がある。怖い顔でプレーをしていたら、ギャラリーからそっぽを向かれてしまい、若い女性は見に来てくれない。おかげで、トーナメントのテレビ中継の視聴率も低下し、青木、尾崎選手が活躍していた時と比較すると雲泥の差だ。

 これでは駄目だと思って、日本のゴルフ業界をもう一度立ち上がらせたいとの思いから、ファンとスポンサーを味方につけて改革をやる。改革を実行するには時間と労力が要る。なおかつ、上に立つ人間にカリスマ性が必要になる。青木功会長ならカリスマ性があるので、青木会長と一緒にもう一回改革をやろうと思う」

女性ファン呼び込むサプライズ

 「具体的には、来年からトーナメント観戦に若い女性を無料で招待し、来場した女性は出場した男子プロと食事やお茶を一緒に楽しむことができるサプライズ企画を考えている。サイン会だけでは駄目で、来てくれた若者を楽しませるようにすべきだ。こうすればその女子たちがまたゴルフ場に友達を連れてくるようになり、人気を高める面で相乗効果が期待できる。

 シニアゴルフが復活したのは、プロアマトーナメントなどで、ファンに対してあらゆるサービスを展開したのが成功した。トーナメントではロープを張ってファンの立ち入りを制限はせずに、なるべくファンとの交流も大事にしている。成功例があるのだから、これを参考にすべきではないか」

―― 強い選手が海外に流出してしまうリスクへの対応は

「ゴルフはプロ野球のように組織の管理はしていないので、JGTOが日本に拘束することはできない。せっかく育てた選手が海外に行ってしまうのは難しい問題。海外に行くなとは言えないが、日本の試合に何試合かは出てほしい。海外に行ってもいいが、日本オープン、日本プロ、日本ゴルフツアー選手権、など日本と名がついているトーナメントには帰ってきてほしい。そうすれば海外でも日本でも活躍できる。過去には青木功、樋口久子などは海外で勝って、日本に戻っても勝っていたのだから」

―― リオ五輪でゴルフが競技種目になり、東京五輪でもゴルフを盛り上げる材料になるか。

「東京五輪の開催は、ゴルフ業界だけでなくプロゴルフ団体にとっては、大変喜ばしいことだ。ゴルフから興味をなくしたプレーヤーは、これを機にもう一度ゴルフに興味を持ってもらいたい」

―― トーナメントを見に来たギャラリーに対する規制を緩めて、なぜ情報発信を手伝ってもらわないのか。

 「日本ではトーナメント観戦中は携帯電話での通話や写真撮影は禁止している。携帯電話での写真撮影は解禁したいが、シャッターを押すときに日本のアイフォンは音が出るので駄目だそうだ。米国の携帯は音がしないので解禁になっている。トーナメントにファンを呼び込むためにはあまり規制を厳しくすると、足が遠のいてしまうので、できるだけファンサービスのために緩めたい」

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最終更新:9月23日(金)12時10分

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